くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」「温泉女

kurawan2015-08-10

ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション」
シリーズも5作目になったが、今回は普通のアクション映画という感じに仕上がった。
おもしろくないわけではないが、これといってメリハリもない見せ場の連続で、ストーリー構成の妙味もない一本。監督はクリストファー・マッカリー

IMFが解散の危機になり、シンジケートと呼ばれる組織が秘密裏に作られているらしいという設定から物語が始まる。

イーサンらも、IMF危機にあたり、召喚要請が来るが、シンジケートと呼ばれる組織からの挑戦を受け、その壊滅のために戦うという展開。

目新しいアクションシーンもなく、宣伝フィルムに使われている、輸送機にぶら下がるトム・クルーズの場面は、冒頭のオープニングのみ。しかも、それ以上に面白いと思えたのは、クライマックスのバイクチェイスのシーンくらいだった。

話のどんでん返しもキレはあるわけではないし、普通のアクション大作になってしまいましたね


「温泉女医」
たわいのない娯楽映画で、これというほどのものはありませんが、こういう映画を見るために、日頃の喧騒を忘れるため、映画館に足を運んだのでしょうね。そんなことを考えると、当時生きていたわけではありませんが、ノスタルジーに浸ってしまいました。

映画は、田舎の温泉町に代診としてやってきた主人公の女医が、地元の温かい人々の中で、やがて結婚までしてハッピーエンドになる物語です。

派手な展開も、目をみはる演出があるわけでもない一本ですが、これも日本映画黄金期の一本、楽しむことができました。


「瘋癲老人日記」
前半、かなりコミカルな展開を見せるので、軽いタッチのホームドラマだと思っていたのですが、後半に進むにつれて、不思議な感じに展開し、終盤はちょっと艶っぽい流れになっていって、ちょっとした映画でした。

すでに77歳になり、高血圧で、ほとんど外出もない老人。しかし、息子の嫁にご執心で、妙に性欲を傾ける。そんな老人を手玉にとって、いろいろねだる嫁。

この構図で、周りが翻弄される様をコミカルに描くのだが、この老人の切ないほどに物の哀れを見せて嫁に接する後半の姿に、作品の色が変化してくるのです。

そして、嫁の足型を自分の墓石に掘るというクライマックスの狂気的な姿から、その拓本に埋もれるラストシーンまで、シュールに色づいてくるのです。

恐ろしいほどの山村聰の鬼気迫る演技と若尾文子の小悪魔感が素晴らしい見応えの一本でした。これはある意味、珍品かもしれません。