くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「シークレット・アイズ」「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘

kurawan2016-06-16

「シークレット・アイズ」
アルゼンチン映画瞳の奥の秘密」のハリウッドリメイクである。オリジナルはその映像の美しさが独特の作品で、その美しさがミステリーを生み出していた感じがありましたが、さすがにアメリカ映画になると、平凡なサスペンスに装いを変えていた。しかも、ニコール・キッドマンジュリア・ロバーツがおばはんになりすぎていて、ちょっとがっかりな映画でした。監督はビリー・レイである。

映画は主人公レスが逮捕者の写真をパソコンで見ているシーンに始まる。そして一人の男に目が止まる。それは13年前、同僚のジェスの娘をレイプ殺人したマージンの整形後の姿だった。

早速、今は検事となっているクレアの元を訪れ、再捜査するよう依頼する。警官となっているジェスもその場にいたが、どこか否定的だった。レスはかつての相棒バンピーと捜査を始める。。

こうして、13年前に犯人を釈放せざるをえなくなった経緯と現在の展開が交互に映像となり映されていく。このあたりの演出はオリジナルに近い気がするが、ほとんど覚えていない。

やがて、整形後のマージンと思わしき人物を逮捕するが、彼は犯人ではないと断言するジェス。そして彼女は衝撃的な告白をする。

彼女は、13年前、マージンを逮捕することは不可能と思った時点で、自ら殺したというのだ。しかし、どこか腑に落ちないレスがジェスの家の小屋を覗くと、なんと、そこには私的に監禁されている犯人がいた。

13年前の犯人逮捕の球場でのシーンのクライマックスまでのサスペンスが一種の最高の見所なのだが、ここをさらりと流したので、全体が盛り上がりきらなかった気がします。

死を求める犯人の姿にレスはピストルを残して小屋を出る。そして庭を掘る。銃声が聞こえる。エンディング。ということで普通のミステリーだったし、さすがにアメリカ映画にふさわしからぬストーリー構成だと改めて感じてしまった。やはりアメリカ映画はシンプルな話が得意だし似合うような気がします。


「ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出」
実話を基にした、英国王室の「ローマの休日」のようなストーリー。もちろん、かなり脚色され、面白おかしく作られているものの、軽いテンポの音楽で綴るドタバタ劇のような展開はとっても小気味いいし、肩が凝らない面白さがある。ただ、エピソードがてんこ盛りでどれと言って大小がない上に、主人公エリザベスと妹マーガレットそれぞれ均等に演出しているので、主人公が引き立たない。監督はジュリアン・ジャロルドである。

時は第二次大戦で欧州戦線が終了した夜。イギリスが歓喜に盛り上がっている。英国王はスピーチの準備をしているが、娘のエリザベスとマーガレットは、街に出て人々と騒ぎたいと父に申し出る。そして、付き添いをつけることで、許可されたが、その付き添い二人は、歓喜の渦の中につい気を許してしまい、王妃二人は自由行動に飛び出す。

あとは、エリザベスは一人の空軍将校と出会い一夜を、マーガレットはあれよあれよと怪しい場所に飛び込んでいく。しかし、そこは一線を超えないような脚本になっているために、かなり無理が見えるのだ。

それでも、淡いロマンスとアドベンチャーにしようとするから、似たような出来事が羅列され、ストーリーが平坦に流れる。結局どこを何をというポイントがないままにエンディングとなる。ラストも無理やり「ローマの休日」にしてしまった感じである。

まぁ、軽い映画だとたかをくくり見れば楽しめる一本だったかと思います。