くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「栄光のランナー/1936ベルリン」「X―MEN:アポカリプス」

kurawan2016-08-24

「栄光のランナー/1936ベルリン」
もっとシンプルな映画かと思っていたのですが、思いの外中身がしっかりした作品でした。主人公のジェシーの周辺の脇役が非常にしっかりと描いているために、主人公が際立ったためだろうか。監督はスティーブン・ホプキンスである。

主人公ジェシーが大学に入学することになり家を出るシーンに始まる。キャンパスでは黒人差別が当たり前の頃の1935年オハイオ州立大学。毎年陸上で敗退を続けるこの大学のコーチラリーはジェシー・オーエンスを陸上部へと誘う。

そして、みるみる頭角を現したジェシーはオリンピックベルリン大会の出場権を得るところまで行くが、ナチス政権に反旗を掲げるアメリカ国民の世論の中、ボイコットか出場かというオリンピック委員会の思惑も描かれる。さらにジェシーにも、ボイコットすることで意思を伝えて欲しいという黒人組織からの依頼も来る。

しかし、当時のアメリカオリンピック協会に在籍していたブランデージの尽力もあり、とうとうアメリカは出場決定、ジェシーもベルリンの舞台に向かう。

レニ・リーフェンシュタールなどの登場、ゲッペルス宣伝相の思惑などが入り乱れる中で、ジェシーは次々と金メダルを取っていく。

ある意味アメリカ万歳の気風が見え隠れするようにも思えるのですが、これが実話であるところから、そこは受け入れるべきところは受け入れていけるし、ストーリーの構成もしっかりできているので面白い。

物語は、終盤にゲッペルスの圧力でアメリカチームのユダヤ人選手が出れなくなるも、結局代わりに出たジェシーの力もありリレーでも金メダルを取って凱旋シーンでエンディングとなる。レニ・リーフェンシュタールのやらせ映像撮影シーンなど、小さなエピソードも散りばめられ、丁寧な作劇で好感な映画でした。


「X―MEN:アポカリプス」
ちょっと長すぎる。ストーリーの組み立てのバランスが悪いので、途中眠くなってしまった。しかし、中盤で、ハイスピードで動くミュータントが爆破で吹き飛ぶ中を助けるシーンでのモダンでハイスピードな音楽に乗せて描く映像シーンはさすがにセンスをうかがわせてくれる。このシーンこそ、ブライアン・シンガー監督の個性である。

映画は太古の昔のエジプトに始まる。有史初のミュータントであるアポカリプスが神として人類を収めている。彼は次々と肉体を移りながら生きながらえているが、人類の反乱でピラミッドの中に閉じ込められて現代となる。

今回の新シリーズの前作もその前もほとんど話を忘れているので、若干わかりづらいシーンもありますが、チャールズ・エグゼビアが何故禿げたのかとか、まで描かれている。

現代で偶然蘇ったアポカリプスは人類が我が物顔で君臨する世界を見て再び自分を神として崇める世界に戻すために世界を破壊しようとする。そのために、ミュータントを集め利用しようとするが、チャールズたちが対抗するというのが本編である。

例によってCG満載のスペクタクルだが、最初に書いたようにストーリー構成とか演出に工夫の入る余地もなく、下手をすると間延びしてしまっている。特に前半三分のにあたりまでがややしつこいのである。

終盤で、ウルヴァリンの初登場シーンも挿入されるサービスもあり、結局ハッピーエンドでエンディング。面白くないとは言わないが、かなりマンネリと言えなくもない。