くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「オリーブの樹は呼んでいる」「フィフティ・シェイズ・ダー

kurawan2017-06-23

「オリーブの樹は呼んでいる」
行先が見えない作品で、ラストシーンに向かって物語が収束していかない中途半端が少し気になる一本。冒頭からラストまで一貫して大好きな祖父のために奔走する主人公アルマの姿を素直に描いていけばとっても素敵なドラマに仕上がったろうに、やたら、オリーブの樹の行った先の会社が環境破壊をしていたり、アルマがイラついて自分の髪の毛を引き抜く癖があったり、大好きな叔父の兄が実はアルマにいたずらをしていたりという妙な寄り道のエピソードが物語をいびつにしてしまった感じで、あまり見終わった後が気持ち良くなかった。監督はイシアル・ポジャインという人。

主人公アルマがニワトリ小屋でニワトリを整理しているシーンから始まる。死んでいるニワトリを事務的に取り除き、ひよこの中で佇んだりしている。アルマの祖父はいまは口をきかない。それはかつての祖父が大事にしていたオリーブの木を父親が売ってしまった時かららしい。

大好きな祖父のためにアルマは必死で祖父に語りかけたりする。そしてある時、オリーブの木を取り戻すことを考えネットや売り先を調べて、ふとしたサイトで、ドイツの大企業のロビーに飾られているのを発見。

アルマ時の叔父を巻き込んで大型トラックを借り、ドイツへ向かう。このくだりも実に適当感が強く、サスペンス的な面白さに欠ける。さらにそれに続くロードシーンも今ひとつドラマ性が弱い。

現地につき、叔父たちが騙されたのを知ったものの、会社の前でアルマとともに居座る。何やら団体が応援に来たりして行くくだりも適当で、アルマの友人が見つけた、この企業の環境破壊の実態のニュースがどうのというのもこれというスパイスにもならない。

結局、そのオリーブの木に飛び込んで登ったところで、祖父の死の知らせが届き、そのまま苗木だけ持ち帰って、かつての場所に植えてエンディング。で、なんなのという感じの作品なのだ。何かちぐはぐ、そんな映画でした


フィフティ・シェイズ・ダーカー
前作もダラダラした感じの作品でしたが、今回も同様。物語が進むようで進まず、ただひたすらに滞ってしまう。シリーズ化したらしいが、そんなに集客力があるのかと思ってしまう。SMを主題に取り入れた濃厚なラブストーリーという空気も感じられないし、とにかくストーリーテリングが弱すぎる。監督は前作から変わってジェームズ・フォーリーである。

グレイと別れたアナが、友人の写真の個展にやってくる。そこでグレイと再会。グレイはアナとの復縁を望んでくるところから物語が始まる。

出版社だろうか、編集長の助手で仕事も順風満帆なアナだが、グレイのことが忘れられていなくて、すぐに二人は元の関係になる。

例によって濃厚なラブシーンが繰り返され、さりげない上品なSMシーンも取り入れられているが、今ひとつ魅力に欠ける映像展開である。

アナの上司の男性の執拗なアプローチを無下にしたために怨みを買う展開が続編に続くくだりとなり、また過去にグレイに従属していた女性がアナを襲って来たり、グレイにSMの手ほどきをしたエレナという女性が微妙に絡んで来たりと、盛りたくさんの登場人物が次々とエピソードを飾るが、結局、最愛の女性アナと出会ったことに気がついたグレイは最後にプロポーズしてエンディング。

影からアナのかつての上司がグレイを狙っているかの仕草をして暗転。そして続編の映像も宣伝挿入される。正直退屈な映画である。