くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「シンクロナイズドモンスター」「ノクターナル・アニマルズ

kurawan2017-11-03

シンクロナイズドモンスター
アン・ハサウェイ目当てのみの映画でしたがある、まぁまぁ楽しい一本でした。監督はナチョ・ビガロンドという人です。

一人の少女が公園で無くした人形を探している。やっと見つけたと思ったら、向こうの方に怪獣が歩いていて25年後に時が移る。

仕事でふっとした失敗からリストラにあってしまったグロリアは酒至になり、そのせいで恋人のティムに部屋を追い出される。仕方なく故郷に戻った彼女は幼馴染のオスカーの勧めでバーで働くようになる。しかしソウルで怪獣が現れたというニュースに驚いたグロリアだが、なぜか自分の仕草を怪獣が真似ていることに気がつく。

どうやら、公園の砂場で仕草をすると怪獣が真似るらしく、しかもある時間だけとわかる。早速オスカーも連れていくが、なんと、オスカーが入るとソウルにロボットが出現。

次第にオスカーはグロリアを独占しようとし始め、話が面倒な展開へ。そしてロボットと怪獣の戦いになっていく。

最後は、オスカーのロボットを倒すべく、グロリアがソウルにいくと、砂場に怪獣が現れ、人間の姿のオスカーを捕まえ彼方に投げ飛ばすと、ソウルのロボットも投げ飛ばされてハッピーエンド。

細かい疑問は横に置いといて、キュートなアン・ハサウェイを見ながら、おバカな娯楽映画を楽しむ、そんな作品だった。楽しかったです。


ノクターナル・アニマルズ
冒頭、巨漢に近い全裸の女たちが踊っているシーンから始まる。まさにトム・フォード監督の世界である。主人公スーザンが主催するデザイン会社のイベントだろうか?圧倒的な色彩感覚とシャープな映像にまず魅了されて行くのだが、次第に陶酔感に変わっていく。まさに現実と虚構の世界の交錯する独特の映像世界に引き込まれた感じの一本。

スーザンが家に帰ると、小包が届いている。開けてみれば元夫のエドワードからの小説で、スーザンに捧げられている。物語はこの小説の中で描かれる暴力的な犯罪のストーリーと現実の流れが交錯していく。

小説内の話は、ある親子が夜のドライブをしていて、前を走る車を追い抜いたところが、追いかけてきて、妻と娘は殺されるというストーリーで、スーザンの元夫エドワードを演じる役者が二役で夫役を演じている。

この、小説内の話が現実のスーザンの話とどう関わるのかわかりにくいままに、本を最後まで読み終え、エドワードと待ち合わせるスーザンのカットで映画が終わる。

果たしてエドワードの実体験なのか、あるいは心象風景が文章として表現されているのか、解釈はいろいろあると思うが、全体に、トム・フォードらしいスタイリッシュな映像にこだわっていない。それを物足りないと見るか、これもありと見るかはともかく、作品的には十分な仕上がりではあったと思います。


エレファント・マン
四十年ぶりに見直したデビッド・リンチ監督の大ヒット映画。そのシーンのほとんどを覚えていなかったことに驚いたが、過去の印象以上によく完成された作品であることと、ラストはしっかり感動してしまいました。

物語は今更ですが、イギリスに実在したと言われる、生まれながらに奇形だった通称エレファント・マンと呼ばれたジョン・メリックのお話である。

見世物小屋で暮らすジョンをある医師が学会発表のために連れ出し、やがて部屋を与え、人並みの生活をさせる。その中で、さまざまな人々と関わりながら、ジョンは人間らしい生活を手にし、ひとつづつ希望を叶えていくが、最後に、ゆっくりと横になって眠りたいという夢を叶えて死んでいく。

デビッド・リンチらしいシュールな映像は少なめだが、全体にやはり独特の空気が漂う。ヒットしたこともうなづける一本で、今回見直して改めてその作品の完成度に唸ってしまいました。