くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「最低。」「彼女が目覚めるその日まで」

kurawan2017-12-18

最低。
最初、どういう人間関係で進めるのかと必死で絡ませたために、途中まで収拾がつかず混乱したが、途中から三人の物語だと割り切ったあたりからこの映画の良さが見えてきました。監督は瀬々敬久

上京して親に内緒でAV女優をしている彩乃、夫との関係が疎遠で、そのはけ口からAV女優に志願する美穂、親がAV女優だったことを知った高校生のあやこ。三人が三人それぞれAVとの関わりを通じて物語が展開していく。

時にそれぞれのカットをオーバーラップさせるので、実はこの人の幼い頃が彼女で、その途中が高校生で、またその末が母親でと繋ごうとしたが、そこは別々なのである。ただ、この編集が混乱を呼ぶことも確かで、この辺りの演出に一工夫欲しかった気もします。

彩乃の元に釧路から母親と姉がやってきて非難する。美穂の父親は病院に入院していて、美穂がAVで他の男に抱かれている時に他界する。

美穂の父親が入院している病院に、ロケ先で倒れた彩乃が担ぎ込まれたり、最後は美穂の父親の葬儀の席にあやこがやって来て、死んだ美穂の父親はあやこの母親と関係があったという下りでまとまっていく。

難しいメッセージは存在せず、ただ三人の女のドラマに焦点を絞った脚本はなかなかです。瀬々敬久監督らしい手腕が見え隠れする作品で、ちょっとしたもんだったかなと思いますが、最初のつかみから終盤のしつこさは少し個人的にいただけません。


「彼女が目覚めるその日まで」
クロエ・グレース・モレッツがどんどん可愛らしくなって来たなと思える一本。物語というよりドキュメントに近い展開が延々と続くが、ただ、クロエの可愛らしさで最後まで見てしまった。

主人公スザンナがニューヨークポスト紙でバンバン働いているシーンから映画が始まり、仕事も順風満帆、恋人ともうまく行って幸せな毎日なのだが、どこか彼女に異変が忍び寄っている風が映り出し始める。

物忘れがひどくなり、ぼんやりし始め、幻覚幻聴が起こり、鬱に沈むかと思うと突然有頂天になりはしゃぐ。そして、彼女に任された大きな仕事で大失敗し、とうとう、自宅に待機することになる。

両親が病院へ連れていくが病名がわからず、どこも異常がない中、精神疾患だと判断される。それでも時々起こる発作の原因がわからないため、執拗に検査を望んだ両親に、ある医師がかつての恩師を連れてくる。ここのクライマックスまでがひたすら長いのだが、そこはクロエのホラー演技でつないでいくのです。

そして連れて来たナジャ医師は、彼女が脳に炎症を起こす難病だと診断、治療が開始されみるみる回復、職場に戻って映画が終わる。

実話を元にした作品で、こういう難病もあるというメッセージにどこか感動してしまう自分がいました。クロエのファンにますますなりましたが、映画の存在意義にも感動した作品でした。