くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「愛の昼下がり」「ヴェロニクと怠慢な生徒」

「愛の昼下がり」

洒落た大人のラブストーリーという感じで、大人なのは女性で子供っぽいのは男性というコミカルな設定はこのシリーズの定番の楽しい映画でした。「六つの教訓話」の第6話ということで前半の妄想シーンに過去の5話の女性たちが出てくるというお遊びも楽しめる一本。監督はエリック・ロメール

 

青年実業家でもある主人公のフレデリックは、この日も寵愛する妻と娘に見送られて仕事に向かうところから映画は幕を開ける。しかし、フレデリックは、カフェでは道ゆく女性に声をかけてみたい妄想を抱き、会社では秘書たちにさりげない視線を送ったりして日々を楽しんでいた。そんな時、旧友で元恋人のクロエと再会する。

 

クロエは何かにつけてフレデリックの事務所を訪れるようになり、妻と買い物している場でも偶然あったりする。次第に、フレデリックはクロエとの時間を過ごすようになり、少しでもクロエが来ないと嫉妬さえ覚えるようになる。さらにクロエの仕事の世話までして、クロエの部屋にも訪れるようになる。

 

そんな頃、フレデリックの妻は二人目の男の子を出産する。妻の仕事の負担を減らすために家政婦を雇う。クロエはフレデリックの赤ちゃんをほしいと望み始める。愛するという言葉をかけるようになるフレデリックだが、あと一歩一線を越えることに躊躇していた。しかも、妻に対する思いは最近ますます高まってきたことを自覚し始める。

 

フレデリックがいつものようにクロエの部屋にやってくると、彼女はシャワーを浴びていた。タオルで体を拭いてやったフレデリックは、ベッドに入った彼女を見ながら、自分も服を脱ごうとするが、ふと先日服を脱ぐ格好でふざけて子供達を笑わせたことを思い出し、大慌てで部屋を出て階段を降り、家に帰る。そこには愛する妻がいた。フレデリックは妻を抱きしめそのまま寝室に消えて映画は終わる。

 

子供みたいに嬉々するフレデリックに対し、弄ぶようにじっと待つ女性という対比に思わず笑いが込み上げてきます。淡々とした展開の中にユーモアを交えた作品で、なかなか面白い一本でした。

 

「ヴェロニクと怠慢な生徒」

エリック・ロメール監督の短編。悪ガキを教えにきた家庭教師とのひとときのユーモアあふれるコメディという感じの作品で、テーブルを挟んで子供と悪戦苦闘する家庭教師の姿にクスッと笑ってしまいました。ラストは、見事家庭教師を追い返した子供がボールで遊ぶカットでエンディング。楽しい短編作品でした。