くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「嘘を愛する女」「ルイの9番目の人生」「ガーディアンズ」

kurawan2018-01-25

嘘を愛する女
もう少し、ハラハラドキドキ的なサスペンス食があってもいいのではないかと思う。淡々と進むストーリーと先の読めるエピソードの積み重ねは最後の真実の意外さで一気にラストへなだれこまさんとするお膳立てなのだが、それでもその配分が悪すぎるし、登場人物に面白みが出ていないのがちょっともったいない。監督は中江和仁

主人公川原が、できるキャリアウーマンの典型として画面に登場する。帰ってみれば研修医の小出が待っている。しかし、ある日、小出がくも膜下出血で病院に搬送され、川原が行ってみれば、小出が持っていた免許証などが偽造だとわかる。しかも、なんとか見つけた手がかりの彼のパソコンにはぎっしりと小説らしき文章が入っていた。そして、この小説が彼の自伝的なものと判断し、それをヒントに小出を探し始める。

こうして、川原は友人の叔父で探偵をしている海原と助手のキムとともに、小出の真実を探し始めるのが本編。しかし、キムというパソコンオタク風の助手を始め絡んでくる心葉とか散りばめられている特異なキャラクターがいつまでたっても物語を面白くしてこない。ひたすら川原と海原の二人ストーリーのみが見えているだけで、海原の別れた妻との裏エピソードもどうでもいい程度に挿入されている。

なんとか徐々に真相が見えてきて、手がかりをつかんだと迫っていくと、小出に似た人物だったことで振り出しに戻る。ところがそこから、小出が広島の医師で、妻と子供が無理心中をし、そのショックで行方不明になっていた人物だとわかる。

そしてその家に行ってみれば、実は小説と思われる文章に書かれた内容は実は小出と川原の楽しい5年間の思い出だとわかり、川原は昏睡状態の小出のベッドに戻り、時が経つ。そしてかすかに目覚めた小出のカットでエンディング。うん、感動のラストなのだろうが、ところどころの作り方が実に甘いために、最後も胸に迫ってこない。元の企画が弱いのだろう。この程度で賞を取るのだから流石に今のレベルがうかがい知れると上から目線の一言で閉めます。


ルイの9番目の人生
なるほどそういう展開なのね、という映画で、驚くほどのどんでん返しでもなく、途中でなんとなくラストも見えてくる。とにかく、物語がラストシーンに向かって集約していないために、途中の展開がただ思わせぶりの積み重ねにしか見えない。監督はアレクサンドル・アジャ

主人公ルイは9歳の少年だが、両親とハイキングに行き崖から落ちて命を落とす。と思いきや息を吹き返し昏睡状態に陥るところから映画が始まる。父親が行方不明なのでてっきり犯人だと思われ捜査が始まる。一方、ルイの担当医に指名されたのは小児科の昏睡状態専門の有名医師パスカルで、ルイの傍に座り、その症状の改善に努め始める。

ルイの母親ナタリーはなかなかの美人でパスカルも彼女に惹かれ始めるが、ルイの周りで不思議な出来事が起こり始める。ルイが書いたと思われるような内容の手紙が届いたり、不気味な夢をパスカルが見たりし始める。

謎が深まる中、パスカルはかつてルイの精神科医として担当したぺレーズ博士を訪ねる。そして、パスカルが眠っている時に夢遊病で処方箋などを書かされていることがわかり、ぺレーズ博士にパスカルの催眠術療法を行うことになる

そして、催眠状態になったパスカルは突然ルイの言葉を発するようになり全ての真相が明らかになる。

ルイが生まれて間も無く次々と命の危険にさらされたのは全てナタリーの仕業で、彼女は身近な人間を傷つけては助けないと行きていけない精神障害だった。

結局ナタリーは入院、ルイは祖母にか看病されながら心の中でしあわせな日々に落ち着くというのがラスト。しかもパスカルはナタリーとの間に赤ちゃんができていてエンディング。

なんとも、不思議な作り方の作品で、作り方によればもっとファンタジックな佳作になりそうな一本だったが、ちょっともったいない仕上がりでした


ガーディアンズ
ロシア版のマーベルコミック映画を観る感じの一本で、全体に仕上がりがしょぼいのと、元ネタをアレンジした感が丸出しの脚本の雑さが目立つ映画でした。監督はサリク・アンドレアシアンという人。

冷戦真っ只中の頃に遺伝子操作の研究から生まれた超人たちの姿がまず描かれる。そして時は現代。その研究の学者だった一人が、その研究所破壊の時に浴びた放射線で超人となり、現代において復讐と世界征服のため、暴れ始める。

政府は対抗策として、当時生み出され世界に散った超人を集めガーディアンズとして組織する。そして後はバトル戦だが、とにかく政府の作戦室が実にしょぼいし、展開もかなり雑。ラストはハッピーエンドはわかってるし、しかもエンドクレジットの中に続編を思わせるエピローグもあるのも本家版と全く同じというのは笑える。まぁ、物珍しさで見た映画で十分でした。