くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「アメリカン・アニマルズ」「ガルヴェストン」

アメリカン・アニマルズ」

若気の至りで犯した犯罪のなんとも無残な顛末を描いたちょっとモダンな映画。凝った映像演出とリズム感で見せていくのですが、結局、身勝手な犯罪者の話というどこかスッキリしないエンディングの映画でした。監督はバート・レイトン。

 

トランシルバニア大学、平凡な毎日を送るウォーレンは、何か人生の転機になるものはないかと考え、図書館に所蔵してある時価1200万ドル相当の貴重本を盗み出す計画を考える。そして、知人友人をかき集め、周到な計画を練り始めるが、そこは素人、何もかも思ったようにいかない。

 

映画は、その決行日に始まり計画段階に遡って物語を描いていく。天地逆さまの映像からのオープニングや、実際の犯人四人のナレーションんを挟んでのストーリー展開などなかなかの工夫が見られるのですが、と言ってドラマ性が今ひとつ迫って来ないのはちょっとテクニックに走りすぎでしょうか。

 

何とか決行はしたものの、次々と計算が狂い、肝心の本は奪えず、一部のみ持ち帰ったものの、その先もうまくいかず、結局捕まって実刑となる。

 

何か人生の転機をと計画し参加したものの、結局平凡な日々の大切さを実感する終盤の彼らの表情がちょっと切ないのですが、捕まった後のその後のナレーションで、結局ふてぶてしい奴らだったと映画が終わる。

 

個性的な作品で、それなりに面白く仕上がっているのですが、何かちょっと足りないものが見える作品でした。

 

「ガルヴェストン」

なんとも普通な映画で、エル・ファニング目当てで出かけたので、後悔はないものの普通のよくある映画でした。監督はメラニー・ロラン

 

主人公ロイが医師の診断を受けているシーンに映画が始まる。肺に影があると言われそのまま飛び出すロイ。この流れで、彼は末期ガンではないかと匂わせる。

 

組織のボスの依頼である家を脅しに入るが、逆に反撃され相棒を殺される。ロイは必死で反撃し、脱出しようとするが一人の女ロッキーを見つけ一緒に逃亡。こうして物語が始まる。

 

ロッキーは途中で故郷によってもらい三歳の女の子を連れ出す。そして3人の逃避行となるが、ロイは自分がはめられた理由を知り、逆にボスを脅し金を取り、ロッキー達に与える決心をする。

 

しかし逆に捕まり、ロッキーは殺され、ロイも捕まってしまう。そして彼はがんなどではなく、命の心配もない肺の病気だと明らかになる。この展開は、さすがに今時ちょっとなあと思う。

 

そして20年、刑務所を出たロイのところにかつての少女が大人になって会いにくる。そして、ロッキーのことを知り、去っていく。ロイはかつてロッキー達とおとづれたガルヴェストンの浜辺に向かう。折しもハリケーンが迫っていた。こうして映画は終わる。

 

切ない話ということなのだろうが、ロイのボスとのやりとり部分が実に弱く、もうちょっと掘り下げた脚本になっていたらお話にメリハリがついた気がします。