くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ハッピー・デス・デイ 2U」「アイアン・スカイ 第三帝国の逆襲」「二十歳の原点」

「ハッピー・デス・デイ2U」

癖になるくらい面白い。とにかくテンポがいい。乗りの面白さは前作同様ですが、さらにちょっとジンとくる展開も挿入し、前作を凌ぐほどの楽しさを見せてくれました。監督はクリストファー・ランドン。

 

前作でカーターの部屋で目覚めたツリーの前に飛び込んでくるカーターの友達ライアンが車の中で目覚め、いつものように研究室にいくが、そこで仮面を被った殺人鬼に襲われる。そして、なんと彼は時間のループに閉じ込められ、繰り返すことに。一方のツリーはループから逃れカーターとの楽しい日々を送っていたが、ライアンの言葉に自分と同じ境遇になったことを知る。

 

そしてライアンはある研究をしていて、どうやらその研究で作ったシシーという装置のためにこんなことが起こったのを知る。しかも、もう一人のライアンが現れ、それを消すために装置を動かしたために、再びツリーがループに戻されてしまう。

 

ところが、新しいループの世界では、死んだはずの母は生きているし、カーターは嫌いなダニエルと恋人関係、さらにロリーはいい人になっていて、ツリーが不倫していた教授ガブリエルと不倫関係にあった。

 

そこで、ループを閉じることを考えるが、除外する関数を見極めるためにツリーが何度も死んで試行錯誤を完成させていくことになる。

 

あとは同様の展開がテンポよく進み、やがて成功、最後に装置を起動させることにするが、ツリーは母が生きているこの世界の残るか前の世界に戻りカーターとの恋愛関係になるか選択を迫られる。

 

そして最後の最後、以前の世界に戻ることを決意、装置を稼働させるが、すんでのところでハプニングになりかける。期限の時間が迫る中、ロリーを助けるためにツリーは病院に向かうが、なんと仮面の犯人はガブリエルとなっていた。

 

しかし、なんとか危機を脱出、ツリーは元の世界へ。エピローグで政府機関がシシーに興味を持ち、ライアンらを招致することに決定。ループの被験者にダニエルを選ぶことにしてエンディング。

 

なんとも痛快なくらいに面白いし、悪ノリも連発してくる今作は前作をさらにバージョンアップ。SF的な機械の登場でちょっと俗っぽくなったとはいえ、前作の謎をさりげなく明かしながらの新たなサスペンスコメディは本当に楽しかった。ここまで作り込んで脚本ならシリーズになってもいいくらいですね。

 

アイアン・スカイ第三帝国の逆襲」

第一作から7年たっての続編。下品な悪ノリととどっかで見たようなストーリー展開と大作と言わんばかりのCGで、ちょっと癖になるようなカルト映画ですが、これはこれで見てしまいました。監督はティモ・ボレンソワ。

 

月面裏のナチスの攻撃を撃退したもののその後の核戦争で地球は荒廃、生活できなくなった人類は月のかつてのナチスの基地で生活していた。しかしここも資源が枯渇。そんな時、ロシアのオンボロ宇宙船が軟着陸、地球の地下にロスト・ワールドがありそこに資源があることを知った主人公オビは、メンバーを募ってオンボロ宇宙船で地球へ向かう。

 

このオンボロ宇宙船、ミレアムファルコンのガラクタ版のような出で立ちというのがまず笑う。そしてオビたちは地球の深層部に到着、そこはなんと名だたる政治家や指導者がゾンビと化し、人肉を食らう不気味な街だった。しかもリーダーはヒトラーで、様々な有名人の化け物がいた。スティーブ・ジョブズのゾンビなども出てきて笑ってしまう。

 

そしてそのエネルギーの源は、聖杯という、どっかで聞いたネタだったりする。そしてアドベンチャーの末に聖杯を持ち帰り、オビーたちは一路火星を目指す。エンドクレジットの中、火星の裏側にはソ連のマークの基地があり…というオチがありエンディング。

 

まぁ、悪ノリの塊のような映画で、決して脚本に凝っているようなものも見られないカルト映画ですが、癖になる麻薬のような面白さがある一本です。

 

二十歳の原点

原作も読み、何十年も前に見た作品を久し振りに再見。監督は大森健次郎。

 

初めて見た時もそうでしたが、ストレートに感情移入する感じはありませんでした。しかしたんたんと一人ゼリフで紡いでいく物語は、ラストシーンで一気に爆発するように迫ってくるものを感じます。

 

果たして彼女がどう感じ、どう考え、どういう苦悩の末に死を選んだのか、いや、選んだわけではなく、気がつくと死に囚われていたのか、その真相は残された日記の中にだけあるのかも知れません。

 

見終わるともう一度見たくなる。読み終えるともう一度読み直したくなる。そんな、心に残しておきたい作品の一本です。