くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ジョン・ウィック パラベラム」「ジョーカー」

ジョン・ウィック パラベラム」

このシリーズの中で一番面白かったです。多彩な格闘戦が面白いし、画面が美しいし、スタイリッシュでスピーディ。物語はよくわからないというより単純そのものに徹しているので、シンプルに楽しめます。監督はチャド・スタエルスキ

 

コンチネンタルホテルで発砲したために追放処置を受けたジョンが、傷つきながらニューヨークを歩く姿から映画が始まる。追放処置まであと1時間、その間に傷の応急処置と武器の調達を果たしたジョンは、彼の賞金首を狙ってくるスナイパーたちを倒すのが序盤戦。

 

彼はカサブランカに逃れるために取引をし、カサブランカのコンチネンタルホテルでソフィアと会う。そして、ジョンを狙う主席連合のさらに上にいる首長に今回の謝罪のため砂漠へ向かう。そして薬指と引き換えに首長の許可をもらい復帰したジョンはコンチネンタルホテルへ戻る。

 

裁定人の指示でコンチネンタルホテルは聖域解除され、ホテル内で、ジョンの友人ウィンストンらと一緒に主席連合のスナイパーとの戦いがクライマックスとなる。そして全てを撃退し、ウィンストンに裏切られたかのように撃たれて、姿を消したジョンはバワリーと会い、さらなる戦いへ向かって映画が終わります。

 

バイクに乗りながらのアクションや、馬を使ったアクション、さらにクライマックスのクリスタルの中での戦闘など、多彩でバラエティに富んだ舞台とバトルが美しい。日本テイスト満載の脚本も楽しい。シリーズはさらにスケールアップする感じで、次回が楽しみになりました。

 

「ジョーカー」

ヒース・レジャーが扮して、その頂点になったバットマンの悪役ジョーカーをホアキン・フェニックスが演じる意欲作で、ベネチア映画祭で金獅子賞を受賞した作品。DCコミックのキャラクターであることを忘れてみれば、かなり優れたドラマだった。人生はコメディだというメッセージをコメディアン志望の青年の狂気への転落を通じて描いた点で見事な映画でした。監督はトッド・ヘインズ

 

ゴッサムシティの喧騒にかぶるコミカルな音楽で映画は幕を開ける。コメディアン志望のアーサーはこの日もピエロの格好で看板持ちのアルバイトをしている。母との二人暮らしで生活は厳しい。不良少年が彼の看板を奪う。必死で追いかけるアーサーだが路地で返り討ちにあい叩きのめされる。

 

落ち込んだ彼に職場の同僚がピストルを与える。アーサーには持病があり、突然、狂ったように笑ってしまう癖があった。母と慎ましやかに暮らすアーサーだが、たまたま、児童病棟でコメディアンの仕事をした時にピストルを落としてしまい、首になる。その帰り地下鉄に乗っていて、サラリーマン風の三人に絡まれ、思わず撃ち殺してしまう。

 

ゴッサムシティでは、地元有力者トーマス・ウェインが市長出馬で世直しする風潮が広がっていたが、貧困層はそんな彼に反感を持ち、たまたま地下鉄で起こったピエロ事件で盛り上がっていた。

 

アーサーはたまたまライブで、病気の笑いが出て、それが話題になり、憧れのコメディアンスター、マレーのショーに呼ばれることになる。そんなおり、アーサーは自分がトーマス・ウェインの息子であるという母の手紙を盗み見てしまい、トーマスに迫るが、実はアーサーの母は妄想癖があったのだと一喝されてしまう。そして間も無くして、その母も死んでしまう。

 

次第に狂い始めるアーサーの心は、彼を見舞ってきた同僚を撃ち殺すことで、何かが弾ける。そしてマレーのショーに出演し、自分をジョーカーと紹介させ、次第に狂気的な発言になり、マレーと言い争いの末マレーを撃ち殺す。逮捕され護送されるアーサーだが、ゴッサムの街は暴動で荒れ狂っていた。そんな中、暴徒の一人にトーマス夫婦が殺され、息子のブルースがその場に立ち尽くす。

 

護送中のアーサーのパトカーに車がツッコミ、ピエロの格好のアーサーは引きずり出される。アーサーは車の上に立ち、ピエロ姿の暴徒たちの前でそのリーダーとして立ち尽くし映画は終わる。

 

所々にアーサーが踊る場面を入れたり、軽いタッチの曲を挿入し、まるで人生は喜劇の如しと言わんばかりの演出はなかなか見せてくれます。なかなかすくれた作品と言える気がします。