くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「剣鬼」「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」

「剣鬼」

90分ほどの映画なのにやたら長く感じた。ストーリーの構成がしつこいというかバランスが悪いのだろう。監督は三隅研次なので、画面の構図などは美しいが、それもいまひとつ際立って映画の仕上がりに貢献していない感じの作品でした。

 

ある城下で一人の女が相手の分からぬ男の子を生み身悶えして死んでいくところから映画が始まる。なんともおどろおどろしいオープニングである。やがて男の子は斑平という名前となり成人となる。

 

城下の下働きをしていたが、持ち前の才覚か、家の前に花作りをし、見事に咲かせる。それを見初めた城代家老が城に呼び寄せ、城の庭に花を咲かせる。やがて、その人並外れた俊足で殿に気に入られる。そんな時、森で居合の練習をする老武士に出会い、その剣術を目視で覚えきり居合の達人となる。

 

そんな班平を利用しようと、幕府の隠密を暗殺する仕事を任せる。さらに、殿の乱心が幕府に漏れないように、脱藩して直訴せんとする家来たちを次々と暗殺していく。ところが、偶然にも殿が乱心の末井戸に落ちて死に、新たに殿がつく。

 

しかし、班平に殺された子息らが仇討ちと称して班平を騙し大勢で殺そうと襲いかかる。返り討ちにするも自ら重傷を負い、何処ともなく消えて映画は終わる。恋物語部分も中途半端だし、剣の技のさえの描き方もいまひとつ。どれもこれも盛り込みすぎという出来栄えでした。まあ普通のチャンバラ娯楽時代劇でした。

 

「イントゥ・ザ・スカイ気球で未来を変えたふたり」

シンプルで安上がりの作品ですが、始まってからラストまでハラハラドキドキで、まあ楽しめたからいいとしよう。実話を基にした映画なのでその意味でも見る甲斐があったという一本でした。監督はトム・ハーパー。

 

気球乗りのアメリアと気象学者のジェームズがこれから大型気球で飛び立とうとするところから映画始まる。アメリアは2年前に夫と気球で飛び自分の無謀さから事故を招いて夫が死んだという過去があった。今回も最初は拒否していたが、前に進むために乗り込んだのだ。

 

物語は、ただ気球がどんどん上昇していき、8000メートルを超えたあたりでアメリアが降下しようというのを、ジェームズがさらに上がりたいと無謀なことを言い、結局、低酸素と寒さで気を失ってしまう。降下すべくバルブを開こうとするが、凍ってしまい、アメリアは一万メートルの高さで気球の上に這い上がりなんとかバルブを開くのがクライマックスになる。高所恐怖症の人はたまらなく怖い展開。

 

そしてやっと降下していくが、途中、どんどんスピードが増し、あれもこれも捨てた上、気球を落下傘のようにして無事帰還して映画は終わる。全くシンプルそのものの一本でした。