実話を元にしたとはいえ、劇画チックの茶番劇のような空気感と上田誠が脚本なので、映画というより演劇タッチのノリになっているものの、楽しいし面白いし考えさせるものもある面白い作品でした。こういうには好きかもしれない。監督は英勉。
前田建設工業の広報グループ長が、新入りの土井に、いきなりマジンガーZの格納庫を作る設計を始めようと喚き始めるところから映画は始まる。喚く部長に翻弄されるように、別所、江本、近田などがチームに参戦、完全ボランティアで、WEB公開のためのマジで冗談な企画がスタートする。
あとは、いかにリアルに、現実のものとして格納庫建設を考察していくかの過程が面白おかしく展開。圧巻は、実際のダムを見学に行った土井が、自分が悩む開閉装置の参考になる巨大なダム開閉システムを見るところで、観客もマジンガーZ格納庫が現実に見えてきて感動してしまう。
やがて、すべての工程の設計案と見積もりも完成、模型もできて、チームは湧き上がるが、WEBへのアクセスはイマイチ。そんな時、いきなりマジンガーZの世界に放り投げられて、これまでの作業は現実のことなのだといういかにもなフェイクなアニメシーンののち土井の夢オチ。さらに一気にアクセスが来て、ネットがダウンする終盤となる。
全ての報告をする部長の前にデスラー総統が現れて映画は終わる。まあ、楽しいし、実話を元にしたとはいえ、何か忘れかけていたものを再確認した気がして引き込まれてしまいました。映画の出来不出来はともかく、自分にとってはいい映画になった。
「ラストムービー」
編集前の撮りっぱなしのフィルムをそのままつないだような作品で、ストーリーができるのかと思えば、前後して逆戻りし、と言って、また前に進むかと思えば別のシーンに変わる。なんとも感想がかけない映画だった。デニス・ホッパーの監督第二弾で、この作品で
彼は完全に干されてしまった。
映画撮影隊が来ていて、美女コンクールが開かれ、マリアという女性が選ばれる。そして映画の撮影場面から映画は始まる。スタントのカンザスの登場シーンから、いつの間にかカンザスとマリアは恋仲になっている。しばらく二人のシーンが続き、撮影隊は撤去するが、訳のわからない神父が、ロケ地の村人たちが勝手に映画の撮影にはまってしまったという。しかも、演技ではなく本当に殴ったり銃を撃ったりしているのでやめさせるように言ってくれという。
カンザスが指導するも聞き入れられず、なぜか、金持ちのカンザスは仲間と女遊びなどを繰り返す。そして、金が取れるという山を持つ男と金を掘りに出かける話が出てくる。
クライマックスは、村の祭りで、映画の撮影のクライマックス。カンザスも参加していて賑やかなシーン。マリアは、美女コンテストがあるからと冒頭のシーンに続く。夜のどこか山の中、カンザスと金が出るという山を持つ男が、これから金を掘りにいく話をしていて、突然エンディング。なんなんだ?という映画だった。