「宇宙でいちばんあかるい屋根」つ
うーんとなんともまとまらない映画だった。いろんなエピソードがなぜ入ってくるのかはっきり見えない上に、キーになる星ばあの桃井かおりがなんとも汚らしくて映画のファンタジックさを潰している感じで残念。上手く作ればもっといい映画になりそうな作品でした。監督は藤井道人。
2005年、主人公つばめは、義母と父との3人暮らし、この日密かに想いを寄せる隣の家の享に手紙を渡そうとポストに投函するが、後悔してしまう。彼女は書道を習いに行っていて、その帰り教室の屋上に上がっていると、奇妙な老婆が現れる。彼女はキックボードに乗って空を飛んだようにみえたので、星ばあと呼ぶ。
なんでもできるという星ばあの言葉を鵜呑みにして、つばめは享に出した手紙を取り戻してもらう。しかし、星ばあは行動して後悔した方がいいという。つばめは2歳の時に家を出た実母に会いに行く決心をする。その母はいまは水墨画作家になっていた。その個展で彼女に会うも何も話せず帰ってくる。
そんな頃、享の姉が妙な男と付き合っていたのを気にかけた享はその男を追いかけ、雨降りの中バイクを走らせていて、目の前に現れたスケボーの青年を避けて事故を起こす。つばめは享の病院に看病に通うようになる。
星ばあには会いたい人がいて、茶色の屋根の家に住む誠と言う孫を探していた。つばめはこれまでの恩返しに夏休み中その家を探すことにし、享も協力する。ふとクラスメートの笹川に会った。実は享が事故を起こした時にいたスケボー少年こそ笹川で、彼の家の屋根が茶色、しかも名前は誠だと知る。
つばめは星ばあを誠に合わせるが、誠には星ばあは見えていなかった。しばらくして、誠はつばめを誘い、実は先日死んだおばあちゃんがいたと写真を見せる。それは星ばあだった。
やがて星ばあはつばめの前からいなくなる。ある夜、ベランダに出ると、星ばあが持っていた水筒の蓋が糸電話のようになっていた。つばめはその糸電話にお礼の言葉を告げる。折しも、義母にも赤ちゃんが生まれ、つばめはお姉ちゃんになった。
2020年、水墨画の個展が開かれている。書道教室の屋上から町並みを見下ろす絵に立ち止まる書道教室の先生、そして映画は終わる。
なんとも脚本が良くないのか、今ひとつまとまらず、そういう風に作ったのかと言われればそれまでですが、なんか噛み合わない映画だった。