「エスター ファースト・キル」
前作でリアル12歳のイザベル・ファーマンが25歳の今、再度エスターを演じるというのだけが売りなのかという映画だった。前作のキーは十歳に見える少女が実は三十歳を超す大人の女性のサイコ的な殺人鬼というのがサプライズだったが、今回は最初からネタはばれているので、それ以外のサプライズが必要なのに、普通にドラマになっている。前半こそ、殺人鬼のカリスマ性は見られるが、途中で真相がバレてからは、全然面白くなかった。ホラーの面白さが出てこない一本でした。監督はウィリアム・ブレント・ベル。
サールン療養所にアナという一人の女性がやってくる。この療養所にはリーナというサイコな患者がいて、その取り扱いが難しいのだという。いきなりリーナが行方不明になり、アナがサプライズで対面してしまう。その後捕まるのだが、いとも簡単に管理人を騙して、療養所を脱出したリーナはアナの車で街へ逃げる。そしてアナの家でアナを殺し、行方不明リストから自分に似た少女エスターを見つけて警察に出頭する。なんともお粗末なオープニングですが、この手のホラーなら許せる。でもアナは何のための登場?
エスターの両親はアメリカの名門オルブライト家で、四年前から行方不明だった娘が見つかり、画家でもある父親アランは大喜びでエスターを迎える。しかし、妻のトリシアは不審に思っていた。病院でも不可解な受け答えをし、さらにエスターに疑念を持つ刑事がエスターを調べていて、エスターに襲われる。そこへ現れたにがトリシアだった。とまあ、ええんかいという展開に変わってからは、エスター自身がトリシアに狙われそうになるので、全然サイコホラーの面白みがなくなってしまう。
エスターはアランをたらし込んでこの家に入り込もうとするし、トリシアがそれを阻止すべく暗躍する。それでもエスターを疑わないアランは、この日仕事で家を留守にすることになり、とうとうトリシアとエスターの一騎打ちになる。兄も殺され、屋根の上にエスターを追いつめたトリシアだが、屋根から落ちそうになる。
駆けつけたアランが助けようとするがトリシアは落ちてしまい。エスターを抱きしめたアランはエスターの口元の入れ歯が外れ、真実を目の当たりにする。エスターはアランも突き落とし、両親を亡くした不幸の孤児となったエスターの場面で映画は終わる。
なんの工夫も、オリジナリティもない駄作のホラー映画でした。
「ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り」
たわいもない映画で、これというスケール感もない映像はいかにも貧相ですが、コミカルな演出を徹底したエンタメ感は満足できる映画でした。監督はジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー。
主人公エドガン、相棒ホルガが、過去の罪で収監されている場所から恩赦で脱出するところから物語は始まる。収監される直前、信頼する仲間フォージに蘇りのキーを預けて、娘のキーラを託していたが、フォージのところに行ってみると、何と領主になっていて、私服を肥やすことしか考えておらず、しかもキーラも渡そうとしない。
エドガンは相棒のホルガ、魔術師のサイモン、ドリック、ゼンクらとチームを組んでフォージに臨んでいく。という流れで、話の骨格がしっかりしていないので、その場限りのギャグとアクションが繰り返され、ラストは無事キーラと仲直りしたエドガンは、戦いの途中で命を落としたホルガに妻のために手に入れた甦りのキーを使って大団円。それだけの映画だった。
クライマックスのソフィーナの対決場面も非常にスケール感のない映像で、みなくても後悔するような作品ではないけれど、気楽なエンタメで楽しむには良い感じの映画でした。