くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「本気のしるし 劇場版」

「本気のしるし 劇場版」

連続ドラマの再編集らしいストーリー展開とキャラクター設定、しかも鬱陶しい女とこれまた鬱陶しい男に、ぐだぐだした展開に、特に前半はスクリーンにものを投げようかと思った。後半、少しほぐれてきた一方で平凡な展開に変わって行くのがなんとも言えない仕上がり。ラストは大体予想できる締めくくり、映画としての出来栄えはまあまあですが、個人的には耐えられない作品でした。監督は深田晃司

 

おもちゃ販売の会社に勤める一路は、この日小売店の品物の不備を見つけて持ち帰る。帰り際、店長にまた飲みに行こうと言われ、面倒臭そうに車に乗る。会社に戻って見ると美奈という若手社員が怒られていて、先輩の細川が庇っている。倉庫にいると恋人の美奈がやってきてキスをする。一路が家に帰ると、そこで待っていたのは細川だった。こうして一路の舞台が紹介される。

 

ある夜、コンビニで一路は葉山浮世と追う女性と知り合う。コンビニの帰り、浮世の運転する車が踏切で立ち往生し、それを一路が助けるが、警察の聞き取りに、運転していたのは一路だと言い、一路は困惑する。すぐに浮世は訂正するが、タクシー代がないからと言うので一路はタクシー代を貸してやる。どこか気になる一路のところにレンタカー会社から電話が入り、浮世に連絡がつかないという。

 

そしてなんとか浮世を見つけ自宅で寝かせる一路。時々やってくる細川にも浮世の存在を知られる。さらに浮世にはヤクザに多額の借金があるらしく、風俗に売られようとしている。そんな浮世の借金を肩代わりする一路に興味を持った二がヤクザの男脇田だった。

 

一路はたまたま街のベンチで寝ている浮世を見つけ、金を与えて、浮世の家らしいところへ行くが裏から入る。家賃滞納で取り立てが来るらしい。とりあえず、その場は帰るが、後日尋ねると誰もいない。そこへ一人の男正がやってくる。彼も浮世を探していると言う。

 

物語は、何かにつけだらしない上に、男にフラフラくっつく浮世と彼女に振り回される一路の展開となる。実は正は浮世の夫であることがわかり、どうやら浮世は正に拉致されている様子。それでも、必死で戻ってほしいと言う正について浮世は一路のもとからさる。こうして物語は後半へ。

 

一路と細川は、たまたま一緒のところを美奈に隠し撮りされ会社の人事部に知らされ、社内恋愛禁止の処置で細川は転勤させられる。その流れで、一路と細川は結婚する方向へ。そんな頃、家にいられなくなり逃げ出した浮世は一路のアパートに転がり込む。

 

また、一路は美奈に恋愛感情はないとはっきり言ったため、逆恨みした美奈は会社の発注を操作して迷惑をかける。その尻拭いに奔走する一路の前にIT企業で成長する会社の社長峰内が紹介される。そして、一路の苦境をカバーする代わりにヘッドハンティングに応じてほしいと言う。実は峰内はかつて浮世と心中未遂事件を起こしていた。一路は気持ちがはっきりしなくなり、細川と結婚できないとはっきり伝える。

 

こうして、物語は新たな展開へ。まもなくして峰内の会社の不正が表に出て、峰内を助けるのは私しかいないと浮世は一路の元を離れて行く。一方、一路は細川との婚約を破棄し、会社も辞めて何処かへ消えてしまう。一路が行方不明になったことを知った浮世は、本当に愛しているには一路だとわかり、峰内の元を去る。こうして一年が経つ。

 

浮世は健康食品のセールスをしながら一路を探し始める。そして三年が経った頃、突然脇田がやってきて、一路のいどころを200万で買えと言う。浮世は金を払い、脇田に聞いた場所に行くとそこのアパートは火事にあっていた。途方に暮れた浮世は夜の公園で、偶然ベンチで寝ている一路を発見、自分のアパートに連れ帰る。しかし、一路はこれでは昔と何も変わっていないと出て行く。

 

浮世は追いかけ、踏切に自ら入って一路に助けられ、「愛してる」と初めて口にして抱き合ってエンディング。少しストーリーの前後が間違っておるかもしれませんが、とにかく浮世の何十回と出てくる「すみません」のセリフが鬱陶しい。もちろん意図した脚本だし原作もあるので仕方ないのですが、たまらなくめんどくさい女と、さらにそんな女に振り回される男の不甲斐なさがたまらない映画でした。嫌いな映画です。