「お嫁においで」
ほのぼのした呑気な青春恋愛ドラマ。いわば決定版という感じの歌謡映画で楽しめました。監督は本多猪四郎。
ホテルでウエイトレスをしている昌子が通勤途上、一台のスポーツカーを押したことから、造船会社の社長の息子保と知り合う。保は昌子に一目惚れし、闊達な妹葉子の助けもあって、昌子に猛アタックして行くが、保の両親は、釣り合いが取れないと猛反対する。一方昌子は、ある時、タクシー運転手の野呂から、昌子の近所に住む野呂の弟道夫への荷物を託される。実は野呂は昌子のことが好きだった。
葉子の画策で保は昌子と熱海でデートし、保は昌子にプロポーズする。金持ちの保からのプロポーズに舞い上がる昌子だが、保の両親の画策で、昌子はホテルをクビになることになる。一方野呂は保に決闘を申し込みがコテンパンにやられてしまう。野呂はスッキリ気持ちのいい保を認めるようになり、昌子を諦めようとするが、昌子は野呂へ気持ちが揺れていた。保は昌子を元勤めていたホテルのレストランに誘い、別れを決める。諦めて、ある意味スッキリした保は葉子とヨットに乗って歌を歌う場面で映画は終わる。
本当にお気楽なドラマで、それぞれの家族は平和で幸せそうだし、暗い部分はどこにもなく、その意味で時代を感じさせるけれども映画が夢の世界だった典型的な空気感にとっても楽しいひと時を過ごすことができました。
「土竜の唄 FINAL」
悪ノリの展開は今更なのですが、どうも乗り切らない中途半端なすべりが繰り返されていかにもダラダラにしか見えなかった。バカバカしいクライマックスもインパクトに欠け、失敗作のクドカン脚本という出来栄えの一本でした。監督は三池崇史。
主人公玲二がイタリアの崖に繋がれて鴎に突かれている場面から映画は幕を開ける。モグラになって数寄矢会の幹部となった玲二はこの日、親分についてイタリアへ麻薬取引のために来ていた。巨大な取引を目の前に、玲二は最後の大舞台を迎えることになる。
日本へ戻った玲二はヤクザの麻薬取引に反対の兄貴分日浦から、麻薬取引があるのかないのか執拗に責められる。まもなくして、轟周宝の息子烈雄が日本へ戻ってくる。烈雄はイタリアからパスタに麻薬を混ぜて密輸する計画を進めていた。玲二はその取引日時を掴み、捜査官らと待ち構えるが、烈雄は、その裏をかいて外国の豪華客船に麻薬を積み込み世界一周の中で売り捌く計画に変更していた。
玲二らはヘリで客船を追って飛び移り轟周宝を逮捕するべく向かう。あとはひたすらバトルシーンである。烈雄は船内の麻薬を爆破したため船が沈没の危機になる。日浦は最後の手段で、巨大マンタを呼ぶ。って、ここまでくるとめちゃくちゃですわ。で、ハッピーエンド。玲二は元の巡査に戻り純菜と結婚して映画は終わる。
ほんまにテンポの悪い作品で、お客さんも正直で全然入ってなかった。