くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「その人は女教師」「潮騒」(山口百恵版)「ミラベルと魔法だらけの家」

「その人は女教師」

三船敏郎の息子三船史郎岩下志麻の悲恋ドラマですが、さすがに古さを感じるのと、やっつけ仕事的な仕上がりに微笑ましさを感じるような映画でした。監督は出目昌伸

 

1969年新宿、学生と機動隊の衝突場面から映画は幕を開ける。一人の青年竹内亮が、傷ついて歩いていると向こうから一人の美しい女性がやってくる。亮は彼女に助けを求め、女性は彼を抱きしめキスをして警察の目をくらます。そして、教室の場面、亮のクラスに新任の先生が入ってくる。なんと先日抱きしめられた女性で、速水マキという名だった。しかも、かつての全共闘の闘志だったという。

 

亮はあの日以来あの女性に恋していて、速水マキに執拗に接するようになる。困った亮の両親はマキに亮を説得してくれるように、一人出かけた亮のいる伊豆に行ってもらう。しかし、それがきっかけで二人は本当の恋人になる。

 

学校でも噂が広まり、見かねた亮の父は亮を部屋に閉じ込めるが、窓から逃げた亮は、かつてマキと行った湖畔の別荘に行く。一方、マキは母と数日秋田へ墓参りに行く。てっきりマキが亮を連れ出したと思った亮の父はマキを誘拐罪で告訴、まもなくしてマキは逮捕される。亮は見かねて両親のところに帰ってくるが、父は告訴を取り下げない。亮は自殺をして抗議をし、マキは釈放される。

 

葬儀の場に現れたマキを亮の親族らが罵倒するが、生徒たちがバリケードとなってマキを庇う。マキはかつて亮と行った伊豆の海岸に行き号泣して映画は終わる。

 

なんとも言えない古き懐かしい物語。レトロ感満載の一本でした。

 

潮騒

三浦友和山口百恵のいわゆるアイドル映画ですが、ハツラツとした山口百恵が瑞々しいし、三浦友和も爽やかすぎるルックスで、とっても気持ちのいい青春映画に仕上がっていました。監督は西川克己。

 

水汲みの帰りの初江が、石段の途中で水をひっくり返し、通りかかった信治と出会うところから映画は始まる。初江は、村一番裕福な家が引き取った娘で、一方の信治は貧乏な家の漁師だった。しかし、二人は惹かれあって行き恋仲になっていく。

 

三島由紀夫原作を忠実に踏襲していく爽やかな作品で、村人たちのさまざまなエピソードを挟みながらやがて二人は結ばれて映画は終わります。作品自体は普通の出来栄えですが、見ていて本当に気持ちがいい。こういうアイドル映画も少なくなりました。

 

「ミラベルと魔法だらけの家」

相変わらず美しい画面と楽しい展開、陽気な歌声と楽曲に魅了されました。今回は物語が普通だったので、引き込まれる魅力はなかったけれど、ラストの演出はさすがディズニー。監督はバイロン・ハワード、ジャレッド・ブッシュ、シャリース・カストロ・スミス。

 

かつてマドリカル家の祖母の夫が敵から身を挺して妻と子供を守り、その時に奇跡の蝋燭が生まれて魔法がこの家の子供たちに宿ったという事の起こりが語られて映画は始まる。そして、外敵から守るために魔法がこの村を囲み、エンカントという村が生まれる。

 

マドリカル家の子供たちは一定の年齢になるとギフトと呼ばれる魔法を授けられるのだが、なぜかミラベルだけが何も授けられておらず、そのことで何かにつけて祖母の態度は厳しかった。自分が家族の除け者だと思うミラベルは常に家族の影で毎日を暮らしていた。

 

弟のアントニオがギフトを授かる日、ミラベルはマドリカルの家が壊れていくのを目撃してしまう。しかし、祖母にそのことを言うと、いつの間にかヒビの入った壁は修復されていて信じてもらえなかった。さらに祖母のミラベルへの風当たりが強くなる。

 

そんな中、魔法が使える姉妹たちの力が弱り始める。その謎が、この家を追われたブルーノおじさんにあると感じたミラベルは壁の裏に棲むブルーノに会いにいく。ブルーノは、ミラベルがギフトを授かる日、ミラベルの未来を予見していた。ミラベルは途中で未来を見ることをやめたブルーノに頼んで続きを見せてもらう。そこには、ミラベルが仲の悪いイサベラとハグすることで全てが解決するとわかる。

 

しかし、ミラベルの行動は逆効果になり、マドリカル家は壊れてしまう。そんなミラベルを責める祖母に、ミラベルは居た堪れなくなり独り身を隠す。しかし、祖母が現れ、過去の思い出を語り、魔法の消えたマドリカル家の人たちと村の人たちでマドリカル家の家を再建、最後にミラベルがドアノブをつけると、魔法が蘇り、元のエンカントの村が産まれて映画は終わる。

 

ディズニー映画つきものの愛くるしい脇役の動物が出てこないし、ストーリー展開が今ひとつテンポに乗って来ず、せっかくの楽しい歌とダンスのシーンが生きていないのは残念。でも、絵の美しさはさすがディズニーという仕上がりで、それだけで十分楽しめました。