くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ラ・ブーム2」(デジタルリマスター版)「サーカス」(デジタルリマスター版)「一日の行楽」「巴里の女性」(デジタルリマスター版)「のらくら」

ラ・ブーム2」

一作目の方がストーリーに小気味良いテンポがあって良かった。ソフィ・マルソーの魅力だけで展開する映画という感じで、大体の流れが前作同様で新しみもなかったけれど、テーマ曲は素敵だし、楽しめるラブストーリーでした。監督はクロード・ピノトー。

 

田舎で暇を持て余しているヴィックにプペットから連絡が入りパリに戻ることになる。列車の中でフィリップという青年のパスポートと入れ替わってしまったヴィックは、友達のペネロプとフィリップの元を訪ねる。こうしてヴィックとフィリップのラブストーリーが始まる。

 

プペットの結婚、アニメで成功していく母フランソワーズ、診療所を辞めて研究に専念する父フランソワ、父のためにバレエを習うペネロペの妹サマンサ、ヴィックの弟ルカの登場などが絡んで、ヴィックの初体験への甘酸っぱい青春ラブストーリーが流れていく。

 

二年前に別れたマチューと街で再開したサマンサは、ヴィック達をマチューのブームに誘う。そこで、ゲームして、娼婦で街に立つ罰ゲームをするヴィックとサマンサ。そこへ通りかかったフランソワとのエピソードから、例によって娘のことが心配でたまらないフランソワとフランソワーズのヤキモキが次々と展開していく。

 

アニメの仕事で遠方に行く予定になるフランソワーズと研究の仕事で遠方に行くフランソワの悩む流れと、ふとした行き違いで疎遠になったヴィックとフィリップの例によっての展開。やがて、フィリップは進学のため旅立とうとするが、駅で追いついたヴィックがすがりついて抱き合って映画は終わる。

 

一作目に比べてかなり雑な展開になっているのは、この時代の2の典型です。ソフィ・マルソーもわずか二年ですっかり女っぽくなって、その成長を見る映画でもありました。

 

「サーカス」

典型的なチャップリン喜劇で、ドタバタあり、恋あり、切ない感動ありとテンポよく展開する一本でした。監督はチャールズ・チャップリン

 

サーカスの空中ブランコ乗りの少女は、今日も失敗して団長に怒られていた。一方、見せもの小屋を眺める主人公チャーリーは隣のスリがすった財布をポケットに入れられ、あらぬ疑いと、臨時収入を得る。警官とのドタバタ劇の中で飛び込んだのはサーカスだった。そこで観客に大ウケ、それを見た団長はチャーリーをコメディアンとして雇うことにする。その最初の朝、たまたま空中ブランコ売りの少女と知り合う。

 

チャーリーはサーカスの人気者となり、空中ブランコの少女モーリーに恋心をもち始めるが、少女は新しく来た綱渡りの青年レックスに恋心を持つ。落ち込んだチャーリーだが、綱渡りを練習、たまたまレックスの不在の時に綱渡りをするが大失敗をしてサーカスを追い出される。折しもモーリーもサーカスを辞めてチャーリーのところに来るが、レックスとモーリーの恋を成就させようとチャーリーはレックスにモーリーと結婚するように勧める、やがてサーカスの旅立ちとともにチャーリーは一人放浪の旅に出る。

 

恋あり、笑いあり、感動ありの三拍子詰まったチャーリー・チャップリン喜劇の秀作でした。

 

「一日の行楽」

チャーリー家の一日を描くドタバタコメディです。監督はチャールズ・チャップリン

 

家を出て車に乗り込むチャーリー一家は、遊覧船に乗ることになりドタバタ劇が展開、帰りに交差点でドタバタ劇があり自宅に戻って映画は終わる。単純なスラップスティックコメディでした。

 

「巴里の女性」

チャップリンが出演しない、しかもシリアスな映画ですが、正直退屈な一本でした。やはりチャップリンの名人芸がチャップリン映画を支えているのでしょう。監督はチャールズ・チャップリン

 

一人の女性マリーは、恋人ジャンと出かけることに反対の父に部屋に閉じ込められる。窓から抜け出てマリーとジャンは逢瀬をし、結婚を誓う。マリーが戻ってみると家に入れてもらえず、マリーはジャンの家に行く。しかしジャンの父もマリーとの結婚に反対だった。ジャンはマリーとパリへ行って結婚することにして駅にまたせる。

 

支度に家に戻ったジャンだが、しかし母親の説得もあり、父も渋々許す。しかし父は突然心臓麻痺で死んでしまう。マリーの元に行けなくなったジャンは電話で話そうとするが、うまく伝わらない。そして時が経つ。

 

パリで大金持ちピエールと交際を始めたマリーは裕福な生活をしていた。そんなある時、マリーは画家をしているジャンと再会する。しかしジャンは貧しかった。マリーは今の生活を続けるか、貧しいながらもジャンと結婚するか悩む。結局、ピエールとの生活を選んだマリーに、ジャンは一目会いたいと手紙を残す。

 

高級レストランでピエールと食事をするマリーの前にピストルを持ったジャンが現れるが、ピエールにあっさり追い返され、出口で自殺する。息子の自殺の原因がマリーだと知った母はマリーを殺そうとピストルを持って出るが、マリーがジャンの遺体にすがって泣いている姿を見て、殺すのをやめる。

 

マリーはピエールとも別れ、ジャンの母と孤児院を始める。この日も、弁当を届けに百姓の荷車に乗る。その横をピエールが車ですれ違い映画は終わる。

 

淡々と続く物語は、次第に退屈になっていく。スパイスになる展開もなく、と言ってストーリーの面白さも今ひとつという感じの映画でした。

 

「のらくら(ゴルフ狂時代)」

四十年ほど前に見ている一本ですが、なかなか面白かった。監督はチャールズ・チャップリン

 

駅に列車が入ってきて、荷物室から浮浪者チャーリーがゴルフバッグを持って降りてくる。一方、夫の迎えを待つ一人の妻だが、夫は飲みすぎて駅に行き損なう。妻の怒りを買い、しばらく別室で生活しようと言い渡される。そんな妻だがやはり寂しくて、次の仮装パーティに来てくれるなら許してやると手紙を渡す。

 

そんな頃、チャーリーはゴルフ場でドタバタ劇を演じていた。途中、一人の美しい女性が馬に乗って通りかかる。その女性は孤独な妻だった。

 

チャーリーはドタバタ劇の中で仮想パーティに紛れ込んでしまう。そこには孤独な夫も来ていたが鎧の仮面が取れなくなっていた。孤独な妻は夫の姿を探すが、そこへ夫に瓜二つのチャーリーが現れ夫と思ってしまう。ドタバタが繰り返した後、孤独な夫の仮面がチャーリーによって剥がされ、全て丸く収まりチャーリーはまた放浪の旅に出て映画は終わる。

 

短編ですが。よくできたストーリー構成で最後まで楽しめました。