くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「生きる LIVING」「わたしの幸せな結婚」

「生きる LIVING」

黒澤明監督の名作「生きる」をオリジナルにした作品ですが、オリジナル盤と比べるにはさすがにおこがましいと思うので、単体の作品として見てみれば、辛辣な毒の部分を排除した美談としての映画に終始した感じです。落ち着いた色調処理した画面、常にど真ん中に人物を配置した構図、淡々と流れる展開のリズム感は、オリジナル版を腫れ物を触るかのように意識した感じが伝わってきて、ちょっと残念な気持ちさえしました。可もなく不可もない普通の映画だった。監督はオリバー・ハーバナス。

 

新入りのピーターが初出勤する駅でのシーンから映画が始まる。職場である役所に着くとみんな淡々と仕事をこなしているかに見えるが、何の前向きさもない。課長のウィリアムズに至っては、生きているのかどうかさえわからない。そんな市民課に三人の婦人が公園の整備を陳情に来るが、たらい回しにして終わる。

 

この日ウィリアムズは。早退して病院に行き、そこで余命半年とがんの宣告を受ける。家に帰り、息子に話そうとするが息子夫婦は、話を聞こうともしない。ウィリアムズは、残る時間を過ごすすべを探し、無断欠勤して、たまたま出会った遊び人風の男と酒場を渡り歩いたりする。

 

そんな時、役所を辞めてレストランに勤めたハリスと出会う。そして、嬉々として仕事をする彼女の姿に感銘を受けて、何かにつけて彼女を誘うようになるウィリアムズ。しかし、何か物足りなさを感じ、しかもハリスからは、こうやって付き合うのは良くないと言われ、ウィリアムズは、自分の病気のことを告白、そして、役所に戻り、以前聞いていた公園の整備の仕事を前に進める決心をする。

 

ここで、葬儀の場面になり、職場の同僚がウィリアムズの最後の数ヶ月の行動を回顧する展開となる。やがて公園は完成、ウィリアムズは雪の降る夜、公園のブランコに揺られながら死んでいく名シーンとなるが、葬儀の帰りの列車の中で、同僚たちはウィリアムズを見習って、前向きに仕事をしようと決意したものの、日常に戻ればまた以前のままの日々が繰り返され、それを見つめるピーターの姿。ウィリアムズにもらった手紙を手にかつての公園に行き、そこで若い警官と出会って、ウィリアムズの最後の瞬間の話をして映画は終わる。

 

オリジナル版とほとんど同じ展開とエピソードで描かれるのですが、辛辣な部分を排除した仕上がりになっているのは、決してオリジナルを勘違いしているわけでもなく、この話を美談として感動した監督の感性がなしたものだと思います。結果、普通に感動ドラマになってしまったのでしょう。これはこれで良いと思います。

 

「わたしの幸せな結婚」

子供向けのような映画だった。どういう物語なのかほとんどストーリーテリングができていない脚本と演出で、三流映画そのものでしたが、今田美桜を見にいくのが目的だけだったので、まあ満足でした。監督は塚原あゆ子

 

主人公斎森美世が、妹と継母にいじめられている場面から映画が始まる。美世の母は美世が幼い時に亡くなり、夫は恋人を後添えにして妹香耶が生まれた。以降、美世は斎森家で女中のように暮らしていた。美世の血筋は薄刃家という名門で人の心を操る力異能を持っているはずだが美世には備わっていなかった。そんな美世は名門久堂家の当主清霞と政略結婚することになる。

 

最初は政略結婚だったが、あまりに素朴な美世に清霞はすっかり惹かれてしまう。二人の間の絆が徐々に深まる中、美世の妹香耶は、美世を誘拐して自分を婚約者にしようとしてみたりする。清霞が激怒して美世を助け出す。美世は常に悪夢にうなされていたが、それは美世の力見鬼の才を封印していた母の愛によるものだった。

 

清霞の勤務する対異特務小隊の隊員たちが悪に侵され、その戦いをせざるを得なくなる。後はもうよくわからない展開で、美世は母に封印されていた力を解き放ち、清霞を助けて、二人は無事婚約することになり、という走り抜けるような展開でエンディング。

 

何とも言えない映画で、ちゃんと語る気もないのか、ただ、目黒蓮今田美桜を見せるだけの陳列映画でした。