くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」「Single8」

「ベイビーわるきゅーれ2ベイビー」

リアリティも何もない、子供のお遊びのような映画なんだけれども、主演の二人の軽妙な会話劇の面白さと、キレのいいアクション、そして、軽いタッチの肩の凝らないシンプルなストーリーで今回は前作以上に楽しめました。監督は阪元裕吾。

 

バイトの殺し屋ゆうりとまことは仲介人の指示で、あるアパートにやってくるが、指示と違うターゲットにドギマギする場面から映画は始まり。そしてとりあえず仕事をこなすが、ターゲットを間違えていたということでギャラは出ない。そんな二人は、正規の殺し屋を殺せば自分達も正規の殺し屋になれるという噂を耳にし、今一番有能なちさととまひろを殺すことにする。

 

ちさととまひろは例によって自室で適当なトークに明け暮れていたが、溜まっている支払いをしに銀行へ行き、そこで銀行強盗と遭遇、一旦は拘束されるが、一気に反撃して強盗を倒してしまう。それが組織に知られて二人は謹慎処分となり、しがないバイトで生活をつなぐことになる。そんな二人をまことたちが襲うがちひろたちに返り討ちに合う。その処理を田坂らとしている際に、まことたちは逃亡、田坂が撃たれて重傷を負う。

 

ちひろとまひろはまことたちを追い詰め、田坂らの許可を得て最後の決戦へ臨む。そして何とかまことたちを倒し、良い感じでお互いを認め合った中、ちひろとまひろはまことたちを撃ち殺してエンディング。

 

何ともお気楽なストーリーで、ラストのアクションシーンは前作よりクオリティアップしているものの、途中のボケとツッコミの会話劇の展開は前作同様に楽しい。というかこのシリーズの特徴はこの会話劇にある気がする。殺し屋という設定はあくまでネタだと割り切って見る映画だと思うし、ここまでふざけ切った若々しい映画はもっと評価していくべきだとも思うのは前作同様です。本当に癖になる映画でした。

 

「Single8」

かつて8ミリカメラを回した映画少年たちの熱い思い出を残しておきたくて作った感じのプライベートフィルムタッチの作品ですが、自分もそういう時代を過ごしてきたものとしてはたまらない郷愁に浸ってしまいました。決して映画として出来のいいものではないかもしれませんが、応援して残しておきたい一本です。監督は小中和哉

 

スターウォーズ」のオープニングよろしく、同じオープニングスタイルで、この作品の背景がテロップされて映画は始まる。そして主人公の高校生広志は、「スターウォーズ」を見て感銘を受け、ダンボールで宇宙船を作って「スターウォーズ」のオープニングを再現してみようとする。時は1978年、友人の喜男と8ミリを回す映画少年の広志は、とにかく映画が大好きだった。

 

高校最後の文化祭を控えた広志のクラスでは、クラスの出し物を決めるホームルームが行われていた。受験を控え、大切な夏休みを使うことに控え気味のクラスの雰囲気の中、安易にお化け屋敷の案が出るが女子たちのブーイングが出る。そこで広志は映画を作ることを提案、ただお化け屋敷が嫌なだけの女子夏美の賛成をきっかけにクラスが映画づくりへと傾く。広志は密かに想いを寄せる夏美をヒロインに迎えることが目的の一つでもあった。

 

夏美は先輩のバンドのボーカル募集に応募していたが、オーディションで落ち、広志はシナリオを完成させて再度依頼、成り行きで夏美はヒロインとして出演することになる。そして撮影がスタート、紆余曲折の中映画は完成、試写が行われるが夏美は先輩のバンドのマネージャーの仕事に出ていてこなかった。落ち込む広志は屋上で喜男と寝転んでいたが、映画の主人公よろしく、これから先のことを考えようと、次の作品はもっと傑作にすると教室に戻っていく。こうして映画は終わる。

 

カメラワークも演出も演技も画面も、非常に素朴なままで素人映画の如き空気感ですが、その素朴さがこの映画の良さかもしれません。劇中劇として完成した8ミリ映画が上映されますが、どこか遠い昔を思い出して胸が熱くなってしまいました。当時憧れた富士フィルムのZ1000の話題が出たり、「禁断の惑星」のイドの怪物の話題やさまざまが本当に懐かしい。映画としての出来の良し悪し以前に見て良かったなと思える一本だった。