くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「最後まで行く」(韓国版)「ホーリー・トイレット」

「最後まで行く」

相当に荒っぽい脚本ですが、かなり面白い娯楽映画です。二転三転する展開はB級ホラーレベルですが、面白ければいいじゃないかとやりたい放題の演出には頭が下がります。日本版リメイクが楽しみです。監督はキム・ソンフン

 

殺人課の刑事ゴンスが猛スピードで車を走らせている。署内に警察の内部捜査係が来るらしいという連絡が入ってくる。ゴンスは母親の葬儀に向かっているのだが、そんな事情の中、すでに相当時間に遅れてイラついていた。目の前に犬が現れ、危うく轢きそうになるがなんとか交わした途端、目の前に飛び出した男を撥ねてしまう。

 

一瞬、緊急連絡しようとするが、気を取り直し遺体を隠すことにする。彼方から来る巡回のパトカーをなんとか交わし、トランクに遺体を乗せて車を走らせる。途中検問に引っかかるが、強引に刑事であることで難を逃れ葬儀場に着く。ゴンスは母の棺桶の中に遺体を隠すことを考え、娘のおもちゃを巧みに使ってダクトから遺体を安置場に引き入れて棺桶に隠す。

 

そして、無事埋葬するのだが、署に戻ったゴンスに何者かから電話が入る。何もかも見ていたというその男の言葉に焦るゴンス。一方、署の刑事たちは裏金をもらっている汚職警官ばかりだったが内部捜査の捜査官をうまく誤魔化したとゴンスの同僚のチョに言われる。その隠蔽に力を貸したのはパク・チャンミンという内部捜査の警官だった。なんと彼がゴンスを脅していたのだ。

 

執拗に遺体を渡せと迫るチャンミンの行動に不信を抱いたゴンスは遺体を掘り出し、金属探知機で体内にある個人金庫のキーを取り出す。チャンミンの仲間から、チャンミンが押収した麻薬を横流しして、裏社会で莫大な金を稼ぎ、風俗店まで経営していることを突き止めたゴンスは、反撃に出ようとする。そんな頃、轢き逃げ事件を捜査していたチョは、ゴンスと車で話し、今回のことをうやむやにしようとするが、直後、ゴンスが車を離れたタイミングで車の上に巨大な塊が落ちてチョは死んでしまう。チャンミンの仕業だった。

 

ゴンスは署内でテストで制作された私設爆弾を手に入れ、遺体に仕込んでチャンミンと取引をする。そして、見事チャンミンを車ごと湖に落とす。家に帰ったゴンスだが、なんと目の前に血だらけのチャンミンが現れる。格闘の末、隠していた銃が暴発してチャンミンは死んでしまう。ゴンスは、チャンミンの個人金庫の鍵を手にしてその金庫へ行き、金庫を開けると、部屋いっぱいの金の山を見つける。こうして映画は終わる。

 

とにかく、荒唐無稽に近い展開で、汚職警官はなんの咎めもない流れと、一連の事件を隠蔽することを決める所長の判断をすんなり受け入れる警官たちというのもめちゃくちゃだが、なんでもありになってくると何もかもが当たり前に見えてくる。まあ、面白ければそれでいいという信念を貫いたつくりは誉めて然るべきところでしょうか。呆れるけど面白かった。

 

ホーリー・トイレット」

ダラダラしたくだらない映画でした。出だしは面白いけど、そのあとは同じパターンの繰り返しで、無理やり時間を潰しているような展開で、二転三転でもなんでもない。まさにZ級のシチュエーションスリラーでした。監督はルーカス・リンカー。

 

何やらいかがわしいダンスシーンから、それが主人公の目に見えているポスターだという映像に変わり、主人公フランクの状況に画面が変わる。フランクはどこかの仮設トイレに閉じ込められ、右手を鉄筋が貫いていて身動きが取れない状態だった。必死で助けを求めようとするが誰も答えず、外で仕事のパートナーで市長候補のホルストの演説の声に気がつく。どうやら、フランクがいる場所は爆破地点らしく、間も無く大爆発が行われるらしい。

 

フランクは連絡すべく、便器に落としたスマホなどの操作を試みたりするが、爆破装置が無線なので、この一帯の電波は遮断されてしまう。フランクはなんとか外に見える起爆装置をエラーにしようと通りかかったウサギや、中から物を投げたりして奮闘するがうまくいかない。

 

最後の点検に来た爆破担当のボブに窮状を訴えるが、ボブもホルストに殴り殺される。環境破壊の可能性があるのでこの地に爆破計画とホテル建設は中止にすべきだという役所の職員ドルテもホルストに殺されているらしくフランクのそばに横たわっている。しかし、起爆装置の配線が便器内にあるとわかり、決死の覚悟でフランクはその線を噛み切るが、ホルストが現れ、銃を向ける。

 

しかも、警察官もやってきたがホルストに殺される。とまあ、ここまでくるとメチャクチャである。恋人のマリーもホルストに突き落とされてフランクの横に倒れ込む。銃を向けるホルストに、フランクは最後の手段で、噛み切った線を繋いで爆破してホルストを吹っ飛ばす。で、なぜかフランクとマリーは助かっているらしく、暗闇で愛を確かめ合って映画は終わる。

 

なんとも言えない汚らしいダラダラ映画だった。それ以上でも以下でもないキワモノ映画でした。