くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「誰も知らない」

誰も知らない
是枝裕和

おすすめ平均
幸せって
リアルな空気が良いです☆
今年の 邦画の目玉作品
静かで抑えたトーンが生むリアルさ
視点と見せ方

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カンヌ映画祭で話題になり、史上最年少の主演男優賞を取った柳楽優弥くんの「誰も知らない」を見てきました。
もちろん柳楽くんの演技がどれほどのモノかなんてえらそうな気持ちで見に行きました。

確かに自然に演技していると思いますね。あまりにも自然なので、画面に映っている映像が本当のことなのかと勘違いするくらい当たり前のように演じている。
でも、私には賞を取るという意味ではどうかと思いますが。

あくまでフィクションの世界ですから、演技をして当然なのです。
演技を演技に見せない実力も必要ですが、どこかで、役者としてのアピールがあっても良いのではないでしょうか?
この子が賞を取れば本当に役柄を演じている役者さんは怒るのではないでしょうかね。
というのが私の感想です。

で、映画ですが、確かに暗いですね。
テーマが無責任な親に捨てられた子供たちの話なので、当然なのですが、前半部分はちょっと嫌になってきました。特にわがまま放題のお母さんがでてくるシーンは。

しかし、後半、物語が子供たちが自立していこうとし始める頃にはどこか明るさと希望が見えてきて、心地よかったです。
しかも、後半部分にはいるときの境目で、子供たち、特に明君が自暴自棄になってゲームセンターや不良少年と付き合ったりしていく場面は全体の物語の転換点を丁寧に演出していて素晴らしかった。

二時間以上の作品なのに、しんどくないのはこうした物語構成がしっかりしているからでしょうね。
ラストで、末っ子の女の子が死んじゃうのは悲しいね。
だって、この子、清水萌萌子ちゃんはすごくかわいいですよ。
にこっと笑ったりするとね。
もう前半部分はこの子に釘付けでした。

でも、作品は確かに素晴らしい映画ですが、柳楽優弥君のことがなかったら見ない作品ですね。