最初の感想はとにかく驚きました。
私は宮部みゆきの大ファンなので、すでに原作は読んでいてお話もすべて知っていたのですが、あのパズルのような物語を混乱させずに見事に映画化した大林監督に敬意を表したいと思います。
原作を読んだのはすでに半年以上も前なので忘れているところもちらほらあるのですが、この映画作品は見事に人物関係を描ききっていて、全く混乱しませんでした。
しかも次から次とでてくる登場人物とその証言、時間の前後の説明が見事なのです。
どこがどうということもなく最後まで一気に見せてくれました。
結局家族の絆はどうなのか?本当の家族はどれが正しいのか、そして、本当の人の優しさは何なのかなど、原作のテーマがスクリーンの中に見えてくるのです。
冒頭シーンはやや16ミリ調の大林宣彦監督独特の映像で始まり、バックにインサートされる夕焼けや夜景の空のシーン、そして随所に盛り込まれる短いカットの数々、その合間合間に様々な人の発言が挿入されて物語が少しずつ一本の線になっていくのです。
出演者はすべて化粧なしの素顔なので返ってリアルな面もある反面少し不自然に見えるときもあるのですが、100人以上の登場人物を描ききった監督の力量に拍手を送りたいと思います。
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