「この空の花 長岡花火物語」
とにかく映画がうるさいです。反戦反戦とセリフの合間合間に叫んでくる脚本、それに輪をかけて挿入されるめまぐるしいほどのカットのつなぎ合わせの映像、わからなくもないけれど、それを2時間半以上語られると正直うんざりします。確かに映画としての作り込みのクオリティはそこそこ見れるのですが、流石に訴えかけるメッセージに辟易としてしまった。監督は大林宣彦。
戦争の惨禍を今に伝える長岡市の花火大会をモチーフに、過去と現代、さらに東日本大震災を取り上げて、被災した日本を反省し、新たなる未来のために今考えることをメッセージしてくる。
物語は天草から取材にやってきた新聞記者を中心に展開するが、誰が主人公というより、入れ替わり立ち替わり語り部が変わるという手法を使っている。劇中舞台を挿入して、戦争シーンを再現、全編デジタル映像で、大林監督得意の映像作りがされ、遊び心が満載している。
もう少し映像に緩急があってもいいのではないかと思えるほどめまぐるしいのがこの映画の難点かもしれませんが、これもまた彼のスタイルとすれば評価されるべきなのでしょうね。ただ、個人的には好きな映画にはなりませんでした。