くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ザスーラ」

ザスーラ昨年から見に行くリストに入れていた作品なのだが、わけあっていけなかった「ザスーラ」を今日は見てきたのです。
監督のジョン・ファブローが70年代、80年代のスピルバーグジョージ・ルーカスの時代の特撮を目指したというだけあって、全体が非常に暖かい雰囲気がする。

導入部分のクレジットシーンは懐かしいアメコミのイラストのような画面が次々と入れ替わって、タイトルが現れてくる。この辺から、どことなくわくわくしてくるのはなぜだろう。多分そのアナログ的な、というかレトロチックな味わいが自分たちの子供時代を思い起こさせるからかも知れません。

物語の序章部分はひたすら仲の悪い兄弟たちと父親との機関銃のようなセリフのやりとりが続きます。このテンポが非常に軽やかで心地よい。特に弟のキャラクターが愛くるしいのです。もちろんお兄ちゃんの個性も物語のクライマックスに生きてくるような性格描写がそれとなく挿入されていて、脚本の緻密さが伺われます。

そして、物語はその核心部分へと進んでいく。
ゲーム版ザスーラを動かして一気に宇宙空間に家ごと放り込むところからは、実に暖かみのある特撮シーンが続きます。ロボット(なんと、フランク・オズが声を担当)のデザイン、どこか古き良きSF映画に出てきそうな宇宙人ゾーガン、迷子の宇宙飛行士の背負う推進ジェットなどなどどれもこれも、そういえば昔見たようなという懐かしさ満点なのです。

話は戻ってこのザスーラのゲーム版のデザインも良い。ブリキ製で、なぜかハイテクを思わせるような不思議な感覚を覚えてしまう。ゼンマイを回してボタンを押すとブリキの宇宙船が動き出す。そしてカードが出てくる。そのカードのとおりに危険な出来事などが出てくるのであるが、前作「ジュマンジ」のゲーム版では浮かび上がるように文字が出てきたのを見ると、このザスーラの方がレトロである。ちなみにこの「ザスーラ」は「ジュマンジ」の二番煎じでオリジナルで作ったわけではなく、「ジュマンジ」と同じクリス・バン・オールスバーグ原作によるものです。

たわいのない物語が進んでいくのに、次のカードが本当に楽しみになって、見ている自分たちがザスーラを動かしたくなるのである。
ゾーガンの宇宙船のデザインも飛行船をイメージしているようで、空間に浮かぶ姿もスターウォーズの帝国戦艦が宇宙空間に浮かぶようなイメージなのが懐かしい。

しかも物語のクライマックスもしっかりと主題が見えてくるのだから、無駄のない秀作というべきほりだしもの作品であった。

難をいうとせっかく出てきたおねぇちゃん、結構かわいらしいのにクライマックスしか活躍しないのはもったいないかな・・・

ザスーラ
ザスーラクリス・ヴァン・オールズバーグ Chris Van Allsburg かねはら みずひと

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starsレビュー
stars「JUMANJI」の続編、今度はquot;A Space Adventurequot;

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