くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「バブルへGO!!タイムマシンはドラム式」

バブルへGO!タイムマシンはドラム式

ここまで徹底的にふざけてみたら何とも最高に痛快である。
それに、この映画はテレビドラマでは作れないスケールもしっかりある。だから楽しい。だから映画館に足を運んでも全く損だと思わない。

そもそもバブルによる経済破綻を招いたのは当時の大蔵大臣の馬鹿者が極端に不動産取引を規制したために起こったものであって、不動産投資に嬉々として踊っていた国民に責任はないのである。

当時の大蔵大臣以下政府の先の読めない連中が、目先の政策を打ち出し、現在に至る金融機関の破綻や各種企業の衰退、ひいては日本経済の弱体化を招いたのである。それは誰もが知っているにもかかわらず、どうにもできなかった。

今となって、その真実を思い切り笑い飛ばそう、そして、その裏で思い切り批判してやろうとしているのだから笑いが止まらない。

この映画に登場するタイムマシンは、昨今映画化された「サマータイムマシンブルース」に登場したようなちゃちな、しかも洗濯機の形というふざけた形状である。とはいえ、洗濯機といっても、最先端の洗濯機ドラム式なのだから、思わず吹き出してしまう。

この手のタイムトラベルものに常道のタイムパラドックスである、過去の自分と遭遇してはいけないやら、過去を変えてはいけないなどという堅苦しいことはいっさい抜きに、ひたすら、くそまじめにバブルをくい止めることに奔走する主人公たちを描いている。

なんとも、広末涼子の今風ギャルがさすがに無理がでてきた。彼女は一昔前の年齢ではないだろうか?でも、それでもいいのである。何せ、今までミニスカートなど絶対はかずに、太股をあらわにしなかった彼女が、ショートパンツでシャワーからでてくるのだから、まさにエポックメイキングな映画なのだ。

それに、阿部寛、薬師丸ひろこのくそまじめな演技が何とも奥ゆかしいほどに引き込まれる。
その上、スポンサーやらを何の臆面もなく遠慮もなく思い切り画面に出しているのもこれもまた、すっきりしていて気持ちがいい。

洗濯機を作るメーカーが日立製作所、タイムマシンとわかるきっかけになるTシャツにYahooのマーク、などなど、ここまで思い切られると、本当に気持ちがいい。
しかも、日立、Yahooなどは今では一つの象徴になってロゴの意味もあるのだから、かえって効果大なのだ。

物語の結末も、中途半端ではない。ここには理屈や常識などは全くないのだ。ただバブルの原因は政府の役人なのだ、馬鹿野郎!という声が思い切り飛び出してきて爽快な映画なのである。

いやぁ日本映画は楽しいですね