なんとも、適当な題名である。原題の「Deception」というのは詐欺という意味である。
エロティックサスペンスというふれこみで、宣伝フィルムもかなり意味深な内容のドラマであるかのように見せ、二転三転、あっという展開を見せるかのようなCMでした
元々見に行きたかった映画ながら、見る人によって賛否が分かれていたため、悩んでいたのです。
さてさて、冒頭から、ややうだつの上がらないまじめ会計士が、地下鉄でかわいらしい一人の女性に出会います。もちろん、そのときは特になにもないのですが、さらに敏腕のちょっと危険なエリート弁護士とで会うところから映画は徐々にミステリー色をつよめていきます。
このあたり、サスペンスの常道ともいうべき展開で、ふつうに観客を引き込んでくれます。
あとは、謎めいた展開が繰り返され、こうなるのではないかと思わせられれば、そのままそのように展開していく。しかもその一つ一つの二転三転のドラマが、かなりスポーテンポで繰り返されるのが、ややしつこいですね。
ポイントはクライマックスの携帯の写真からヒントを得て急展開する?あっそうかという謎解きの展開さえも、当然の結果のように観客をうならせてくれません。
このあと、物語がさらにだらだらと展開していくから、せっかくの謎解きのヒントも薄れてしまう。
なんども物語をひっくり返して、あれよあれよという中で、あっというラストのあとで終わらせたいという気持ちがひしひしと伝わるのですが、ぴりっとした辛口の一点に集中していないために、どんでん返しの繰り返しが散漫になり、結局、どれも小品になってしまって、エンディングを迎えてしまいました。
もっと、ヒッチコックなどの過去のサスペンス映画の傑作を研究、勉強なさった方がいいのではないかという印象でした。