くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ラスト・ブラッド」

ラスト・ブラッド

チョン・ジヒョンのセーラー服姿に惹かれて見に行ってしまった「ラスト・ブラッド」
日本のデジタルアニメの実写版だそうですが、残念ながら、そのアニメは見たことがない。

で、この映画なのですが、古き良き、かつてブルース・リーが活躍していた頃の香港映画を思い出させてくれました。

どう見ても日本人ではない中国人?らしい俳優さんが、これまた明らかに日本語ではない口の動きをしているのに聞こえてくるのは日本語という、あの奇妙なアンバランス。今なお、日本の風景を適当な知識で作り上げた、まったくリアリティのないさまざまな場所。このあたりのいい加減さが、なぜか懐かしく。こういう映画がいまだに通用する香港のある意味、力強さにも感激してしまった。

物語はオニと呼ばれる魔物を倒すために何百年も生きている伝説の少女サヤ(チョン・ジヒョン)を主人公にしたバイオレンスアクションである。
例によって、ワイヤーワークによる縦横無尽に飛び回るセーラー服姿のサヤが華麗に敵を倒していく。そのほとばしる血はデジタルによるアニメであり、ときおり戦う主人公たちもアニメになったりと、映像を駆使したアクションシーンで見せてきます。

とはいっても、とくに、工夫されたアクションシーンは見られず、ただひたすら、ゲームのようなめまぐるしいシーンの連続で、あるようなないようなストーリー展開で、どこがどうなのかわからないまま、クライマックスの小雪とのシーンへつ続きます。で、その最後の見せ場もあっさりと終わると、いつの間にか今までの場面は非現実な鏡の世界だったみたいなオチさえもあって、完全なB級映画の展開で幕を閉じる。

気楽に楽しむ映画としてはあれなりに楽しかった。90分という長さにもかかわらず、長く感じたのはストーリーに脈絡がまったくないせいかもしれない。
狭い路地で縦横無尽に飛び回るセーラー服姿の美少女を楽しむ分にはそれなりに満足な映画だったかなとも思うし、傑作を期待するほうが間違いかもしれないが、こういう楽しみも、香港映画のよさかもしれませんね