くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「フィリップ、きみを愛してる」「プリンセスと魔法のキス」

フィリップ、きみを愛してる

「フィリップ、きみを愛してる」
そもそも、ゲイの映画は嫌いである。さらにジム・キャリーユアン・マクレガーもどちらかというと嫌いな俳優でもある。にもかかわらず、そのどれもが抜群によかった。それがこの映画である。

愛するフィリップに会いたい一心で天才的な頭脳で次々と詐欺を繰り返して大金を手に入れる一方で、逮捕されてもこれまた人並みはずれた才覚で脱獄を繰り返す。
この主人公スティーヴンを演じるジム・キャリーもすばらしいが、相手役のフィリップを演じるユアン・マクレガーがこれまた最高にうまいのである。そこにはあの「スターウォーズ」の悪に染まっていくジェダイの騎士の姿はない。ちょっとひ弱で思わず守ってあげたくなるような男を、その目の演技で見事に演じてしまう。これだけでも見た甲斐があるというものでした。

さて、まず真っ青な空に浮かぶ白い雲、軽いテンポの曲、そして「これは実話です」「実話だってば」というコメントが入る。ここからもうこの映画に引き込まれてしまう。
そしてベッドに横たわり死を待つ主人公の姿、そして回想に始まり、子供時代、そしてゲイの時代へはいる姿が描かれる。何ともしゃれた軽いテンポで展開する物語はとにかく魅力的である。

とにかく楽しい、それに巧みに詐欺や脱獄を繰り返すスティーヴンの行動が何ともコミカルで最高。またフィリップとの愛の生活もほのぼのしてほほえましい。ゲイの物語なのに本当にあっけらかんと明るいのである。そこがこの映画に好感度を与えているのでしょうね。

詐欺を繰り返すも、ふとした度を超した詐欺を働いたために二人に大きな転機が訪れ、そしてクライマックス。ここからはちょっとネタバレになりますが、命をかけた詐欺で再びフィリップと再会し、大団円、と思わせるもさらにもう一転で最後まで飽きさせないエンディングは拍手ものである。こういう映画があるから映画ファンはやめられないのである。


もう一本は「プリンセスと魔法のキス
ディズニーアニメが帰ってきた。「リトル・マーメイド」で新ディズニーに驚嘆して以来の衝撃、そして感動。

まず画面がとにかく美しい。色遣いのすばらしさ、構図の見事さ、そして夢見るようなショットの数々。どのシーンもポスターにして部屋に飾りたくなるような芸術的なシーンが次々と展開します。

物語は「カエルの王子」という童話を元にしたオリジナルストーリーですが、次々と繰り出されるミュージカルシーンの楽しさはまさに古き良きディズニーワールドです。
しかも大人も飽きさせないストーリーテリングのわくわく感は絶品です。しかも練り上げられたラストシーンの感動に思わず涙が出てしまいました。

2Dアニメからの撤退宣言から3年、「リトル・マーメイド」のスタッフが再結集させて完成したこのアニマへまさに全盛期のディズニーアニメの世界でした。こうしてみると日本のアニメはまだまだディズニーに追いついていませんね。