くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「プリンス・オブ・ペルシャ時間の砂」

プリンス・オブ・ペルシャ時間の砂

ヒットテレビゲームのストーリーを元に作られた歴史大作ということですが、なんともその場限りのストーリー展開で薄っぺらなスペクタクル映画でした。しかも当然のごとき特撮シーンの壮大さも今ではありきたりで、それを効果的に見せようとする演出の努力もないので、技術ばかりで迫力がない。

ストーリーは単純なのはいいのですが、物語を追っていくと、結局、主人公ダスタン王子(ジェイク・ギレンホール)さえもあまりヒーローにも見えてこないし、聖なる都市を征服する悪役のなかで正義感を振りまく人物というようにしか見えない。一方の聖なる都のタミーナ王女(ジェマ・アンダートン)もボンドガール出身とはいえ、今ひとつ女優的な魅力に欠けて、演技のおもしろさも今ひとつ。

大スクリーンでお金を出して楽しむほどの娯楽性がないのは安易な作り方をしすぎた帰来があるのではないかと思います。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のスタッフ集結というふれこみの宣伝もありましたが、あのシリーズはジョニー・デップというカリスマ俳優の存在と、筋の通った単純なアクションストーリーゆえに楽しめたのです。

この作品も時間を戻すことができる不思議な短剣をもっと効果的に物語の中に取り込んで、脚本を練り直し、演出にも凝ったものにすればもっと楽しい一級品の超大作に仕上がったでしょうに、何を思い違いをしたのか努力不足の中途半端な作品になっていたのは本当に残念です。