くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」

キャプテン・アメリカ

北極の氷の下で発見された巨大な落下物。その中で冷凍になった星の盾をもつ男が発見される。そして、あわてて上司への報告。
次の瞬間、時は1942年、第二次大戦下のアメリカに移る。

現代から一気に過去に戻り、これまでのいきさつを説明する形ではじまるこの作品、ご存知マーベル・コミックのヒーローの一人キャプテン・アメリカの物語である。いったい、アメコミヒーローはいかほどいるのかと、何かの感想でも書いたが、今回はそのヒーロー物の元祖という存在らしい。なんせ、名前にアメリカがつくなんていかにもなので笑えてしまう。

物語の舞台が第二次大戦ということなので、ややSFっぽさは抑えてあるし、主人公のキャプテン・アメリカも要するに強烈な筋肉増強剤で超人的なパワーをつけただけなので、空を飛ぶわけでも、光線を放つわけでもなく、ひたすら肉体を武器に敵を倒すのだからある意味地味である。だから、その分丁寧にストーリーを組み立てているので二時間あまりが充実した物語を楽しむことができる。

もちろん、敵の首領のシュミット(なんと「マトリクス」のエージェント・スミスだったヒューゴ・ヴィーヴィング)はなにやら巨大なパワーを身に着けて風貌も変わり果てた怪物となって立ちはだかるし、ステルス機をもじったような当時最先端と呼べる飛行機に乗るのだからSF色満載でもある。一方のキャプテン・アメリカ側はあくまで団体戦で、たまたまその戦闘になにやらやたら丈夫な盾をもったキャプテン・アメリカが突破口を切り開いていく展開なので、やはりチームワークの国らしいヒーローである。

ナチスの部下だったシュミットが巨大なエネルギーの源を発見し(細かい説明はカットしているのがいい)、それでヒトラーにたてついて自らヒドラー等組織を作る。そして自らヒトラー総統よろしく振舞って世界を手に入れようとする。それを阻止すべくアメリカがキャプテン・アメリカを中心に奔走するというのが物語の中心。じゃぁ、いったい、第二次大戦はどこへいったの?というもので、ヒトラーはまだヨーロッパで暴れているし、当然日本もまだまだ戦っている。そう考えると突っ込みどころも満載の何でもありのストーリーが実に楽しい。ヒーロー物はこれでないと面白くないのである。

結局、シュミットを倒したキャプテン・アメリカはシュミットが乗っていたステルス機とともに氷の海へ落下。これが冒頭のシーンにつながる。
さらに、エピローグとして、70年の眠りから覚めたスティーブ(キャプテン・アメリカ)は現代でヒーロー集団アベンジャーズのリーダー(サミュエル・L・ジャクソン)に誘われてアベンジャーズのメンバーとして活躍するという展開へつながって映画は終わる。

特に驚くような演出は行われていませんが、肉体戦を中心にした派手なアクションは本当の意味で楽しめます。まぁ、カンフーアクションと違ってそのあたりの物足りなさは無きにしも非ずですが、退屈させられることなく最後まで見ることができました。トミー・リー・ジョーンズの大佐がなかなか渋さを発揮していて作品に重みを加えていたと思います