天才ギタリストジミー・ヘンドリックスの全盛期の二年間を描いた音楽映画だが、なんとも、テンポが悪いというか、リズムに乗ってこない退屈な作品だった。
とにかく、有名人がでてくるカットでストップモーションとテロップがくりかえされ、映像が細切れのようにつながれるのが、微妙にみている私たちの感情を途切れさせ、非常に作品を長く感じさせる。
監督は「それでも夜は明ける」の脚本を書いたジョン・リドリー。脚本を書く人は、ほとんど映像のリズムが崩れることはないのだが、この作品については違った。特にジミー・ヘンドリックスの時代の音楽に精通していなかったら、何の面白味もないという感じなのです。
映画はひたすらジミーの行動をとらえていく。導入から展開、クライマックスという構成をとらず、ただひたすら、彼の一瞬を描いていく繰り返しなので、みている側はその繰り返しに飽きてくる感じである。
確かに、ビートルズやエリック・クラプトンなど、素人でもその偉大さを知る人物が次々とでてくるが、それがかえって主人公であるジミーをぼやかせる結果にもなっている。
しんどい、ただそれだけだったのが残念な作品でした。