くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ストレイト・アウタ・コンプトン」

kurawan2015-12-30

1986年に結成されたグループ「N.W.A」の結成から解散、その後を描いた伝記映画である。2時間以上ある作品なのですが、長さを感じません。カメラが縦横に大きく移動し、主人公たちの弾けるような活動をそのまま画面に映し出していくからではないでしょうか。監督はF・ゲイリー・グレイです。

白人の黒人への差別行動が日常に見られるアメリカ、コンプトンの街で、そんな現実の中で育ったエリックは、ラップを通じて、警察を非難し、政府を手玉に取ろうとする。集まってきたメンバーとN.W.Aというグループを結成、警察などの圧力の中、みるみる、若者たちの支持を集めて行くのですが、彼らのプロデュースを買って出ていたジェリーは、いいように彼らを契約で縛り利益を得ていた。

イージーEことリーダーのエリックはそういうことに疎い人物でしたが、仲間たちがその矛盾に次々とグループを離れ、ほぼ解散状態になり、ようやく気がつく。一方で抜けていったメンバーはそれぞれにソロやグループでどんどんヒットを飛ばしていく。

ようやく、真実に気がついたエリックはジェリーをクビにし、かつてのメンバーとN.W.Aの再結成を計画するが、すでに彼はHIVに感染し、余命半年と宣告される。

映画は、エリックの死で、エンディングを迎えるが、大きく大胆に移動するカメラ演出と、激しいほどの暴力シーンを交えたグループの成功の軌跡を描くストーリー展開は、平凡な音楽伝記映画の域を出ていて、ダイナミックな味わいがあります。好みのジャンルの映画ではないのですが、なかなか楽しめる一本でした。