くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」

kurawan2016-02-21

BBC製作の大ヒットドラマの特別篇で、アメリカや本国ではテレビ放映されたものである。
これを映画として見るかどうかはともかく、総合的に見れば、やはりテレビ映像の枠を飛び出すというほどの迫力はなかった。ただ、室内シーンを含め、デジタル処理を多用した凝った映像表現はそれなりに面白いし、ベネディクト・カンパーバッチのあくの強いキャラクターは作品をけん引していることは確かである。

テレビシリーズを見ていないのですが、シリーズは現代を舞台に描いているようで、この特別篇は1895年ヴィクトリア時代のロンドンを舞台に描かれていく。時折現代のシーンが交錯し、ホームズが夢を見ているのか、ドラッグで幻影を見ているのかというくだりもあるのが、映画としてはややしつこいが、物語は純粋にミステリーの色合いを出していて、謎解きも鮮やかに決めてくれる当たり、なかなか楽しい。

夫が妻の幽霊に殺されたというややホラーじみた謎に臨むホームズたち。口にピストルを当てて自殺する場面や、棺桶の中で朽ちた死体が動く場面など、ちょっとホラー色も強く、これはこの時代のロンドンという摩訶不思議な世界を描写するうえでは、効果がある感じです。

クライマックスは、天才的な頭脳で鮮やかになぞ解きをし、それが映像としてフラッシュバックして描かれる。まさにテレビドラマの常とう手段のような演出である。薄暗いロンドンの景色や室内のレトロな空気がなかなか見ごたえもあるのですが、やはり展開はテレビ的である。

損をしたとは思えないのですが、これを映画で公開するのかというと疑問。メイキング映像や、カメラマンの解説のような特典映像をプラスして、何とか二時間弱として公開。何かの穴埋めなのかもしれません。