くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ラザロ・エフェクト」「葛城事件」

kurawan2016-06-30

「ラザロ・エフェクト」
典型的なB級映画でした。これといって目新しいものもないおきまりの展開で見せるSFホラーです。監督はデビッド・ゲルブです。

死を迎えた動物の蘇生実験をする大学のチームの研究室から映画が始まる。本来の目的から外れているものの、成果が目の前に見えてきた気がして誰もが真剣に取り組んでいる。ラザロ血清を死んだ犬に注入し、何度かの試行錯誤の末に、とうとう、犬は蘇生する。しかし何かがおかしい。

そんなある日、突然、彼らの実験は大手製薬会社に略雑されてしまう。研究室のフランクやゾーイたちは、わずかなチャンスと、研究室に残った機材と、隠していた血清で、再度実験を成功させ、映像に収める決意で深夜に研究室に忍び込む。ところが、不注意でゾーイが感電死してしまう。恋人のフランクは悲嘆にくれるあまり、彼女にラザロ血清を注入、見事蘇生に成功するのだが、なんと彼女は驚異的な進化をし、様々な超能力が芽生えてくる。さらに、それは幼い頃の火事の悪夢を増幅させ、彼女を阻止しよとする同僚たちを殺し始める。

結局、全員が殺され、殺した同僚にラザロ血清を注入して蘇生させるゾーイの姿でエンディング。全く、なんのオリジナリティもないホラー映画だが、それなりに時間つぶしができた一本でした。


「葛城事件」
人生が嫌になるほど殺伐としてるなぁと落ち込んでしまうくらいの作品に久しぶりに出会った。唯一の救いは、大好きな田中麗奈が見れたことくらいだ。監督は赤堀雅秋である。

一人の男が家の屏に書かれた落書きをペンキで消している。彼、葛城清の次男稔は8人を殺傷し、死刑が確定している。そんな彼に獄中結婚をした女性がいる。彼女の名前は星野順子、死刑に反対する主義の一人で、死刑囚と婚姻することで心を開いてもらえないかと考えている。正直嫌な設定である。

物語は、葛城稔が事件を起こす直前の葛城家の殺伐としたバラバラの家庭を、現代と交互に描いていくのだが、今ひとつテンポよく切り替わってるというわけでもなく、普通に描かれていく。妻の伸子は何事も目をそらす毎日を送り、長男の保は子供の頃は優秀だったが、社会人になり、リストラされても家族に言えないような人間になっている。

なぜこういう家庭になり、家族になったかは具体的には描かれていない。父清の言動が悪いわけでもないし、稔が後ろ向きで、何事も人のせいにする最低の若者であったためでもない。そこにいたる部分は一切描かれていないのである、

やがて、稔は死刑が執行され、その報告に順子が清の元を訪れる。妻は事件の後病院に入っているらしく、保は、リストラされてしばらくして自殺している。ひとりぼっちの清は、家を建てたときに庭に植えたミカンの木で自殺しようとするが失敗。家中で暴れた後、中華を食べエンディング。

どうも、何がどうという映画ではない。舞台劇の映画化らしいが、今ひとつメッセージも伝わらないし、映画としての見応えもない一本。凡作でしょうか。