くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ジャンケン娘」「大学の若大将」

kurawan2016-09-20

「ジャンケン娘」
映画全盛期の楽しい音楽映画、当時絶大な人気だった雪村いづみ美空ひばり江利チエミが送るたわいのないコメディである。監督は杉江敏男である。

カラー映画が次第に広まり始めたころで、赤黄青をわざとらしく使った衣装や、書き割りの舞台シーン、次々と繰り出すこと歌唱シーンなどとにかく明るくて健康的な映画である。

京都への修学旅行に始まる冒頭部から、花柳の世界のしきたりに主人公たちが苦悩する当時の世相も垣間見られ、時の移り変わり、女性の考え方の変化なども読み取ることができる。

最後は、三人がそれぞれに落ち着くところに落ち着いてハッピーエンド、ジェットコースターで歌いまくってエンドタイトルとなる。

映画の出来栄えはともかく、なんの屈託もなく気楽に見れる娯楽の典型という映画でした。


「大学の若大将」
加山雄三の大ヒットシリーズの第一作であるが、実に面白い。ストーリー展開のリズムが実に良い上に、テンポが抜群、さらにしっかり書き込まれた脚本がストーリーを間延びさせない。娯楽作品ながらよくできた一本だと思います。監督は杉江敏男です。

大学に通い、水泳部に所属し、バンドも組んでいる主人公若大将。実家は老舗のすき焼き屋で、周りの女の子にも優しいのでモテることこの上ない。そんな彼の大学生活を描きながら、友人の恋や、女の子たちの嫉妬、さらにはいけ好かない青大将の登場など、登場人物のキャラクターも楽しい。

最後は誰も彼もが良い人になって清々しくハッピーエンドという気持ちの良いラストシーンで締めくくるあたり実に巧い脚本である。

映画として作られたようなエピソードや展開もあるが、それこそが映画を楽しむ醍醐味だと思うし、とってつけたような場面をふんだんに盛り込んで、現実からかけ離れた夢の空間を作るあたりの絶妙さに頭がさがる。こういう娯楽映画が作れなくなったなと思う一本でした。面白かった