「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」
とにかく長い。シンプルな話なのだが、三時間を超える作品。目的に向かってもっとスピーディに進めばいいのにと思うほどに長い。今となっては死語に近いマカロニウエスタンの一本を見る。監督はセルジオ・レオーネ、音楽はエンニオ・モリコーネ。
午前10時の映画祭で見たのだが、決して名作とかそういうものではない。クエンティン・タランティーノが絶賛しているから選ばれたいわばレアな作品という位置づけ。そもそもマカロニウエスタンというのはB級映画なのだからその存在を間違えてはいけない。しかし、大画面を大画面らしく使った画面作りは、さすがに映画が映画だった時代の一本で、大スクリーンで見ると本当に見応えがある。
映画は何やらゴロツキにような男たちが、とある酒場に踏み込むがそこで一瞬でやられてしまう。撃ち殺したのは、腕の立つ男で、汚い奴とテロップが出る。この後、悪い奴、良い奴とある三人が紹介され物語が始まる。
南北戦争の北軍の男が埋めた20万ドルを目指してこの三人が紆余曲折しながら向かうのだが、時に裏切り、時に仲間割れし、時に捕虜になり、時にピンチになりと、とにかく、しつこいほどに枝葉のエピソードが繰り返されるのがとにかく長い。
冒頭の登場シーンも「アラビアのロレンス」の砂漠のシーンほどにいつまでたっても目の前に出てこないのだから。
しかし、広大に広がる大地を捉えるカメラアングルや、はるかかなたに立つ人物の点のような景色など、これこそがスクリーン全盛期の映画の一本と見せつけて来るから圧巻である。
結局、墓地に隠されていた20万ドルを掘り起こして映画が終わるが、考えてみればなんのことはない物語なのだ。しかも、マカロニウエスタンだから無国籍なのだが、一応アメリカを舞台にしているという流れもあったりで、本当にアメリカ西部劇のパクリまくりである。
決して手放しで拍手するほど面白いわけではないが、これが大画面映画なのだと堪能させてくれる見応えは十分あった。