くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「続・夕陽のガンマン 地獄の決斗」

kurawan2016-10-25

続・夕陽のガンマン 地獄の決斗
とにかく長い。シンプルな話なのだが、三時間を超える作品。目的に向かってもっとスピーディに進めばいいのにと思うほどに長い。今となっては死語に近いマカロニウエスタンの一本を見る。監督はセルジオ・レオーネ、音楽はエンニオ・モリコーネ

午前10時の映画祭で見たのだが、決して名作とかそういうものではない。クエンティン・タランティーノが絶賛しているから選ばれたいわばレアな作品という位置づけ。そもそもマカロニウエスタンというのはB級映画なのだからその存在を間違えてはいけない。しかし、大画面を大画面らしく使った画面作りは、さすがに映画が映画だった時代の一本で、大スクリーンで見ると本当に見応えがある。

映画は何やらゴロツキにような男たちが、とある酒場に踏み込むがそこで一瞬でやられてしまう。撃ち殺したのは、腕の立つ男で、汚い奴とテロップが出る。この後、悪い奴、良い奴とある三人が紹介され物語が始まる。

南北戦争北軍の男が埋めた20万ドルを目指してこの三人が紆余曲折しながら向かうのだが、時に裏切り、時に仲間割れし、時に捕虜になり、時にピンチになりと、とにかく、しつこいほどに枝葉のエピソードが繰り返されるのがとにかく長い。

冒頭の登場シーンも「アラビアのロレンス」の砂漠のシーンほどにいつまでたっても目の前に出てこないのだから。

しかし、広大に広がる大地を捉えるカメラアングルや、はるかかなたに立つ人物の点のような景色など、これこそがスクリーン全盛期の映画の一本と見せつけて来るから圧巻である。

結局、墓地に隠されていた20万ドルを掘り起こして映画が終わるが、考えてみればなんのことはない物語なのだ。しかも、マカロニウエスタンだから無国籍なのだが、一応アメリカを舞台にしているという流れもあったりで、本当にアメリカ西部劇のパクリまくりである。

決して手放しで拍手するほど面白いわけではないが、これが大画面映画なのだと堪能させてくれる見応えは十分あった。