くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」「デッド・ドント・ダイ」

男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」

男はつらいよ全作チャレンジ!何気なく展開する下町人情物語で、何の変哲もないが、その肩の凝らないのが魅力なのだろう。監督は山田洋次

 

ジョーズ」が流行った頃の作品なのだろう、映画のパロディのようなオープニングから始まる。半年ぶりに帰ってきた寅さん、甥の小学校入学の祝いにとやってきたが、ちょっとした言い合いで飛び出して居酒屋で一人の老人と出会う。その老人を家に連れ帰り一晩泊めたのだが実は日本画の偉い先生で、この出会いをきっかけに展開するのが今回の物語。

 

龍野へ行った寅さんが、あのときの老人青観と再会し、さらにご当地の芸者ぼたんと知り合っての物語へと発展して、後は行ったり来たりと寅さんの直情的な言動が生み出すドタバタ劇で、最後人情ドラマの締めくくりとなってエンディング。

 

龍野での青観と志乃という女性の物語が完全に死んでしまっているのがもったいない脚本で、完成度は高くないが、寅さんファンの心情は十分満足させられる出来栄えだったのだろうと思う。

 

「デッド・ドント・ダイ」

ジム・ジャームッシュ監督がゾンビ映画?とそれだけでも興味津々な映画で見に行ったが、一体、ジム・ジャームッシュは何をしたかったのかという映画だった。淡々と進むストーリー、その乾いた感じがコメディかと思いきや、やたらリアルに怖がるミンディ巡査が妙に違和感。終盤のUFOの展開も、なんなのだというノリだし、台本を既に知っているというロニーのセリフのコメディ感も今ひとつ乗り切らず、欲にまみれて、今や人間はゾンビなのだというメッセージもセリフでごまかした感じだし、三人の子供たちのエピソードが完全に浮いてしまっているし、ジム・ジャームッシュ的な洒落た感が見えなかった。

 

アメリカの田舎町センターヴィルの警官クリフとロニーが森に住むホームレスが鶏を盗んだという事件でホームレスのところにやってくるところから映画は始まる。その場は適当にしたクリフはロニーと帰る。途中、ダイナーでカフェを飲んで署に戻る。そこには、一体の死体があり、間も無くFBIが引き取りに来るらしい。

 

極点で行われた工事が原因で地軸がずれたらしく、妙に太陽の日差しがいつまでも明るい。動物や鳥などが何処かに行方不明になっている。何か不思議な状況。葬儀屋のゼルダは日本刀を操り、何かおかしな存在である。

 

その夜、墓場から二体のゾンビが蘇り、ダイナーカフェを襲い、二人を惨殺。翌朝駆けつけたクリフたち。ロニーはゾンビの仕業だと言う。間も無くして次々と死体が蘇り、町中ゾンビだらけになる。クリフとロニー、そしてミンディの三人は街を巡回。一方署の留守をゼルダが預かるがどこか不審。

 

異常な状況に錯乱したミンディもゾンビにやられ、クリフたちは墓場で立ち往生してゾンビたちに囲まれる。ゼルダはなぜか墓場にやってきてそこへUFOが降りてきて、ゼルダは吸い込まれ何処かへ行く。クリフたちは車から出てゾンビに立ち向かうが他勢に無勢でとうとう襲われてしまう。

 

街にいた三人の子供達は、何処かへ逃げる。ホームレスはことの成り行きを双眼鏡で見ている。街にやってきていた若者たちもゾンビにやられる。で、映画は終わるのだが、一体なんなのだ?そんな映画だった。