くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「大頭脳」「プロフェッショナル」

「大頭脳」

これは面白かった。馬鹿馬鹿しいコメディなのだが、やることのスケールがでかくて、呆れているうちにどんどん引き込まれていく。傑作でした。監督はジェラール・ウーリー。

 

伝説の怪盗ブレインが街を歩いている。あまりに頭がいいので顔が少し傾いているというニュースからのドタバタ劇で映画は幕を開ける。ここに脱獄を目論むアルトゥールがいる。彼を助けるためにアナトールが穴を掘り、独房からもアルトゥールが穴を掘る。そして無事脱獄。

 

さて、ブレインはマフィアのボススキャナピエコと協力して、NATOがパリから持ち出す大金を盗む計画を立てている。列車で運ぶ12000ドルの大金を盗む計画だったが、アルトゥールらもその金を盗む計画だった。

 

二組の泥棒が走る列車で、上と下で大金の車両に入り込む下りがまず痛快に面白い。さらに、アルトゥールらが盗んだと思った金はブレインらの部下がたまたま盗んで脱出、それを追うアルトゥールら。一方、ブラインらは逃げる途中で検問に引っかかるがその検問はスキャナピエコらの偽警官で、ブレインを裏切ったのだ。

 

二転三転しながら進む物語は、フランスからアメリカに自由の女神を運ぶパレードと遭遇。スキャナピエコはその銅像の中に金を隠している。それを見つけたアルトゥールはその銅像の中に入り込む。追いかけていくブレインやスキャナピエコだが、釣り上げられた銅像の底が開いて金がばらまかれるクライマックスへ。

 

そして、ブレインとアルトゥールらが船でニューヨークまでやってきて、次のターゲットを見つけて映画は終わる。まるでルパン三世だ。半分になった車で追いかけたり、派手な花火で銃撃戦をしたり、どれもこれもがはちゃめちゃでスケールがでかい上に馬鹿馬鹿しい。全く、こんな傑作見逃していたのかと思う。楽しかった。

 

「プロフェッショナル」

少々テンポが緩く、淡々と抑揚なく進むので、激しいシーンに慣れた今の世代には間延びして見えてしまう。しかし古き良きフランス映画の空気が満載された作品で、かつて映画はこういう風にロマンがあったと言わんばかりの懐かしさと完成度の高さにうっとりしてしまいました。監督はジョルジュ・ロートネル。カメラはアンリ・ドカエ

 

主人公ボーモントがマラガウィ共和国の法廷に立っているシーンから映画は始まる。なぜ彼がここにいるかは説明がないのだが、どうやら何かに貶められて捕まったようで、薬で自白させられ強制労働に駆り出される。しかし、そこを脱獄し、パリに戻ったボーモントは、自分を陥れた上層部への復讐と、当初の目的だったマラカヴィ共和国のンジャラ大統領がパリに来ているので彼をを殺しにいく。

 

まず、彼を雇っている機関の秘書アリスに花束を送り、自分がこれからすることを知らせ、ホームレスに変装して、見張りの警官を騙して妻に会い、次第に上層部に近づいていく。展開が非常に緩いのだが、エンニオ・モリコーネの名曲が繰り返し流され、パリに来ていたンジャラ大統領も田舎の邸宅に避難する。

 

ボーモントは巧みに情報を仕入れ、彼の宿敵の警視正を撃ち殺し、そして大統領の部屋へ乗り込む。しかし、自分は撃とうとせず、自分のピストルを大統領に渡す。建物の反対側では、ボーモントの銃を目印に狙撃手が待っていた。そして、大統領を誤って狙撃してしまう。

 

全てが終わり、堂々と出てきたボーモントは、脱出するためにヘリに向かう。しかし、大臣は電話で彼を止めるように命令、ボーモントはヘリに乗る寸前で機関銃で撃たれて死んでしまう。こうして映画は終わる。

 

少々テンポが悪いので、最後まで見るにはしんどいのですが、どこか懐かしい雰囲気が漂う作品で、かつてはこういうロマンのある映画がいっぱいあったなあと感慨に耽ってしまいました。