くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「プラットフォーム」「クラッシュ」(4K無修正版)

「プラットフォーム」

グロい上に暗い。恐ろしいほどに陰惨な不条理劇だが中身がシュールでなんのことか理解しきれなかった。何かメッセージは見える気もするのですが描ききれなかった一本。監督はガルダー・ガステル

 

何やら豪華な食事が準備されている場面から映画は始まる。カットが変わると一人の男ゴレンが殺風景な部屋で目を覚ます。そこにはもう一人トリマカシという老人がいる。ここは43階なのでまだ食事にありつけるという。ゴレンは志願してここに来て、認定を受けることができるというが、認定の意味は最後までわからなかった。階上から降りてくる食べ残しを食べると、その食事はさらに下へと運ばれる。そして一ヶ月過ごすと眠らされ新たな階層で目を覚ます。

 

一ヶ月後、ゴレンは171階で目を覚ます。降りてくるテーブルには食べ物は残っていない。トリマカシはゴレンをベッドに縛っていて、少しづつ切り刻んで生き延びるのだという。しかし、テーブルに乗って子供を探しているという女が降りてきて、ゴレンを助ける。そしてトリマカシを殺したその女はトリマカシの肉を食べる。ゴレンは最初は拒否するが食べざるを得なくなる。そして一ヶ月、次は6階だった。一緒に部屋には黒人の男がいて、ロープを持っていた。これで最上階まで引き上げてもらおうとするが、上の階の人間に騙されロープはなくしてしまう。

 

ゴレンは降りてきた食事を階下に分配するという方法を提案して、黒人の男とテーブルに乗り、順番に食事を配分しながら降りていく。そして、最下層まで無事分け与え、再度階上まで登ってこのシステムの破壊を計画する。しかし、予定以上に階下は多く、ようやく330階で最下層になるが、途中で殺し合いに遭い二人は瀕死の状態だった。そして最下層には一人の少女がいた。

 

その少女にゴレンらが必死で守ってきた唯一のケーキを食べさせ、少女をテーブルに乗せて階上へ送り出して映画は終わる。なんかメッセージがあるように思うのですが、なんとも言えない暗さの漂う作品で息苦しかった。

 

「クラッシュ」(デビッド・クローネンバーグ版)

ロードショーでもみたのですがほとんど覚えていませんでした。監督はデビッド・クローネンバーグ

 

倦怠期になったジェームズとキャサリン。キャサリンは飛行機の格納庫で自慰に耽っている。ジェームズも職場でアバンチュールに耽っているが、今ひとつエクスタシーに達せなかった。そんな二人はある日交通事故に遭う。ジェームズはそに時衝突して夫を亡くしたヘレンとSEXをし、さらに交通事故の時に感じたエクスタシーが忘れられず、同様の快楽に耽る集団のリーダーボーンと知り合い、危険な世界に入っていく。

 

映画は、瀕死の状態を故意に作り出すことでSEXを繰り返していくジェームズの姿を中心に、キャサリンとのSEXに新たなエクスタシーを求めるべく、キャサリンの乗る車にわざと追突して事故を起こさせ、その場でキャサリンを抱くジェームズのシーンで終わっていく。

 

無修正版ということですが、これという過激な描写も今となっては普通レベルで、しかしながら全体に漂うスタイリッシュな画面がなかなか見応えのある作品でした。