くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ノマドランド」「モンスターハンター」

ノマドランド」

とっても良質の映画です。広角レンズを多用した広がりのある画面を中心に、主人公ファーンの心のドラマを映像だけで見せていく手腕は見事です。これというドラマはないのに、さりげなく登場人物たちが振り返る過去を見ていると、人生の物語は結局そういうことなんじゃないかと胸に沁み入ってきます。監督はクロエ・ジャオ。

 

リーマンショックで勤め先の企業が倒産し、長年住み慣れた社宅を出ざるを得なくなった主人公ファーンは、自身のバンを改良してキャンピングカー生活をしている。世の中では彼らをノマド=放浪の人と呼んでいた。行く先々で季節労働的なものをこなしながら、キャンピングカーを駐車できる場所を点々としていく。広大に広がるアメリカの大地、行く先々で出会うノマドたち、そのほとんどが高齢者である。

 

ノマドとして生活するのは、自由ゆえかそれとも目的を失った喪失感ゆえか、特に物語もなく淡々と広大な景色とファーンの表情だけを捉えていく。同じくノマドのデイブという初老の男性と出会ったり、石を売る青年スワンキーと出会ったり、肺がんの手術をして余計数ヶ月と言われているリンダと出会ったり、行く先々で、様々な人々の人生に触れるファーン。

 

彼女には愛する夫ボブがいたが、既に他界、一人残されたものの故郷のエンパイアの街を拠点にすることからは逃れられない。そんな中、デイブの息子ジェームズが、父を迎えにやってくる。デイブは息子の申し出を受け、ノマドの生活を捨てて、ファーンに別れを告げる。実はデイブはファーンに好意を持っていて、一緒に来ないかと誘うがファーンは行かない。

 

ところがしばらくして、ファーンの車が故障し、その修理にお金が必要になる。仕方なく姉の元を訪れる。姉は家庭を持ち、家を構え、普通の生活をしていた。車も治ったファーンはデイブの住む家を目指す。そしてデイブの家族に会い、デイブと暮らそうかと考えたが、結局、再びノマドとなり、エンパイアの社宅に戻ってくる。そして残していた家財を処分し、今度こそ故郷を捨てて完全なノマドの人生へと足を踏み出して映画は終わる。

 

とにかく画面の広がりが素晴らしく、一方でアップで捉えるファーンの表情も見事。行く先々で別れたかと思えば再会を繰り返すノマドたちとの交流も素敵だが、どこか寂寥感を感じざるを得ないのは私だけでしょうか。非常にクオリティの高い映画だと思いますが、アメリカという国を身近に感じる人と遠くに住む人とで感じ方はおそらくかなり違うのではないかと思いました。

 

モンスターハンター

単純にめちゃくちゃ面白かったです。なんの中身も何もないただの怪獣映画かもしれませんが面白いです。監督はポール・W・S・アンダーソン。

 

砂漠の上を船が走っていく。突然現れたモンスターに襲われ、窮地を脱したものの、乗組員の一人ハンターが船から落ちてタイトル。国連軍の小隊が荒野を走っている。先に行ったA犯を捜索しているが見つからず、所々に奇妙な石碑が立っているのを発見、直後彼方から巨大な嵐が迫ってくる。必死で脱出を図るがその嵐に飲み込まれてしまう。

 

そして目覚めたところは壮大な砂漠地帯。隊長のアルテミス以下隊員が、訳もわからず進んでいくが、突然、巨大な恐竜の数倍もある骨の死骸を発見する。彼らを高台から見ているのは、冒頭で船から落ちたハンターだった。彼は自身の弓を放ち危険を知らせるが、アルテミスたちは敵だと思って銃撃してしまう。ところが直後、砂の中から巨大なモンスターが現れる。アルテミスたちの応戦も虚しく隊員が次々と殺され、なんとか洞窟の中に逃げ込むがそこには蜘蛛の化け物のようなモンスターがいて、またもや隊員が犠牲になり、アルテミスも囚われて繭のような袋に入れられる。

 

アルテミスはなんとか脱出、その洞窟から命からがら逃げ出すが、目の前にハンターが現れる。アルテミスはてっきり敵だと思い格闘するが、倒され、縛られる。しかし脱出したアルテミスはハンターに反撃するが、敵ではないと知る。しかもさっきの蜘蛛のようなモンスターは日の下では活動できないと知る。

 

アルテミスとハンターは、砂漠を脱出したいが、砂の中にいるモンスターを倒さないと出られない。そこで洞窟の蜘蛛のモンスターの毒を使って倒すことを考え、巧みに蜘蛛のモンスターの一匹を捕らえ、その毒を矢に仕組んで、砂漠のモンスターに立ち向かう。そしてモンシターを倒し、二人はオアシスにたどり着くがそこにはハンターの仲間達が待っていた。彼らは嵐と時空を行き来する原因となっている塔のようなものの謎を探ろうとしていた。そのリーダーは、かつてその空間を超えてやってきた古代の人類との交流の中で言葉も覚えていて、アルテミスに説明をする。

 

その塔の番人でいる巨大モンスターを倒すべく、全員で臨んでいくのがクライマックスとなる。そして、モンスターに追い詰められたアルテミスが崖から転落するその下に時空の歪みが現れ、アルテミスは元の世界に戻る。そこで、軍隊に救助されるが、そこへ時空を超えてモンスターが現れ、軍隊が全滅させられる。アルテミスの反撃で一時はモンシターを仕留めたがモンスターが蘇る。そこへモンスターを追ってハンターたちが駆けつけ、モンスターを倒す。しかし更なるモンスターが時空を超えてくる。再びモンスターを迎え撃つハンターやアルテミスの場面で映画は終わる。

 

とにかく単純に面白い。娯楽映画の王道通りの展開と、見せ場の連続で、全く飽きてこないのが良い。これぞハリウッド大作という典型的なエンタメ映画でした。面白かった。