くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「るろうに剣心 最終章The Final」

るろうに剣心 最終章The F inal」

今回はよくまとまりました。ここまでの作品はドラマ部分とアクションシーンが分離されたような構成でドラマ部分が弱かったのですが、今回は程よくこなされて仕上がりました。しかもアクションシーンはさらにグレードアップし、セットも含め映画全体が大作の貫禄を帯びて出来上がりました。ラストもうまくまとめた気がします。難を言えば、まとまりすぎてギラギラ感が薄れたのはちょっと寂しいですがとにかく面白かった。監督は大友啓史。

 

明治12年の東京、列車内にいる上海から来た武器商人を探しに斎藤一らが乗り込むところから映画は始まる。乗っていたのは上海マフィアのトップになったという雪代縁、さすがに少々貫禄に欠けるのが実に残念ですが、続くアクションシーンを考えるとこの配役は仕方ないところでしょう。そして、派手な列車内の殺陣シーンになる。いつものワイヤーワークを使った剣劇が見事。今回も期待通りです。

 

一旦は逮捕された縁だが、何やら釈放される。彼には中国マフィアとの関係などもあるが、目的は姉の仇である剣心を倒すためだった。縁の姉巴は剣心に近づきその懐に飛び込んで倒すためだったが、いつの間にか惹かれてしまい、剣心を狙ってきた刺客と共に剣心に斬り殺された。その時の恨みで縁は剣心を狙っていた。剣心の頬の十字傷がその時にできたものであるという真相も明らかになる。

 

縁は同じく剣心に恨みのある輩を集め、剣心の周辺の人々を狙い始める。物語の本筋は、そういった輩と剣心の周辺の人たちとのバトル、さらに、愛する薫が縁に連れ去られ、剣心は縁のアジトへ乗り込んでいく。そこで、剣心たちと縁の仲間との大乱戦が繰り広げられ、最後は剣心と縁の一騎打ちの末、縁は破れ逮捕される。縁は薫から送ってきた姉巴の日記を読み、自分は剣心に斬り殺されたわけではないことを知る。一方剣心は薫を助け出し、二人で巴の墓参りに行き二人の仲を伝えて二人して手を取って映画は終わっていく。こうして一旦物語を締め括るが、再来月の作品で新たな物語へ展開していくという寸法である。

 

アクションシーンは今更いうまでもなく、さらに立体的にスケールアップしてとにかく面白い。これまでの作品で弱かったドラマシーンもそれなりに今回は措置なく処理されたので、アラが目立たなかったのと、アクションシーンとの配分がそつなく構成されていたので、全体が程よくまとまりました。難を言えば、クライマックス、次々と登場するかつての敵達の扱いを適当に済ませたことで、無理やりオールスター的になり、物語が深みにかけてしまったことでしょうか。あそこはバッサリ切っても良かった気がします。でも海外に通用するチャンバラ映画だと思います。