くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「万事お金」「地獄の花園」

「万事お金」

たわいのない恋愛喜劇、お金を徹底的に笑い飛ばしながら展開するドライなストーリーが心地良いほどに爽快。映画黄金期のお気楽な娯楽映画でした。監督は松林宗恵

 

恋人同士の豊年太郎とサクラが公園で別れ話をしている。サクラは30億の資産のある弓矢という男との縁談があるという。太郎が貧乏だから自分は金持ちになる方を選ぶというサクラの言葉に猛烈の反発する太郎だがどうしようも無い。

 

太郎の勤める会社は火の車で、従業員への給料の支払いも必死という有様。そんな時取引先の社長の妾の娘と太郎を見合いさせる話が持ち上がる。うまくいけば、100万円の前金を受け取れ、結婚が決まれば持参金として1000万円が手に入るという。太郎は仕方なく相手のウメ子と見合いをすることになる。

 

物語は、太郎とウメ子、サクラ、弓矢の四つ巴を軸に、それぞれの親や行きつけの飲み屋の女将なども絡んで、お金を絡めたドタバタ劇のように展開していく。

 

結局、ウメ子も金だけ貰えば本当に好きな男と結婚すると言い、サクラも太郎の人柄を忘れられない。妙な教訓めいたものは全くなく、結局、太郎とウメ子は元の関係になって、冒頭の公園で愛を確かめ合って、じゃあホテルへ行こうとなったところで軽く事故に遭い、救急車で二人が乗せられていく場面でハッピーエンド。

 

本当にたわいのない映画で、その気楽さゆえに肩の凝らないひとときを過ごすことができました。これこそ娯楽映画という感じの一本でした。

 

「地獄の花園」

傑作なんておこがましくて言えない。これほどバカバカしい映画を一生懸命作って、一生懸命演じている、そのサービス精神に拍手。なんの中身もないけど、全編楽しいし面白い。もちろん映画としての出来の良し悪しはそっちのけにしての話で、客観的な分析などアホらしくなる映画だった。永野芽郁がとっても可愛い。楽しみました。監督は関和亮

 

大企業でもなく、かと言って中小企業でもない会社に主人公直子は勤めている。普通のOLだが、どこの世界にもあるように、ここではOL同士に派閥の争いが行われている。という紹介から映画は始まり。そしてそに派閥の三巨頭、朱里、紫織、悦子の紹介に続いて、この会社に一人の中途採用のOL蘭がやって来て物語は始まる。

 

まるで不良グループのタイマン漫画のような喧嘩の日々が描かれていくが、ここにやって来た蘭はやたら強く、三つの派閥のトップを次々と倒して一日でこの会社のOLのトップに立つ。しかし、そんな蘭とみるみる親しくなり、お茶に行ったり一緒にショッピングしたりするようになったのがなんの変哲もない直子だった。ところが、蘭の名声は全国に広まり、まもなくして上場企業トムソンのOL軍団が蘭に迫ってくる。

 

蘭と対決するため、蘭の友人直子を拉致、蘭に一人で来るようにという連絡が来る。朱里たちが止めるのも聞かず、蘭は一人で直子救出に出かける。トムソンのOL軍団のメンバーの3人強豪を次々倒すかに思われた展開だったが、なんと途中で蘭はやられてしまう。トムソンのリーダー赤城は、蘭の会社のOLたちを配下に置くべく直子に連絡をさせようとするが、突然直子は人が変わったように立ち上がり、次々と3人の強豪を倒した上、リーダーの赤城さえもあっさり倒してしまう。実は直子は喧嘩に特殊なDNAを生まれつき持っているサラブレッドだった。

 

直子はその場を去るが、迎えに来た朱里らの前から蘭の姿がなくなる。朱里らはてっきり蘭が暴れてトムソンのOLを全員倒したものだと思い、翌日から会社に来ない蘭のことを疲れたのだろうと気楽に考えていた。そして平穏な日々に戻るかと思われた時、赤城は伝説の日本一のOLと言われる鬼丸を引き連れて直子らの会社にやってくる。そして迎え撃つ朱里らを次々と倒して、直子を呼ぶ。最初はなんのことかわからない朱里たちだったが、見かねた直子がトムソンの前に現れる。そして、全員を倒した後、鬼丸とタイマンの後鬼丸さえも倒してしまう。

 

普通の毎日に戻り、朱里らも、以前以上に平凡なOLになって日々を過ごしていたある日、蘭が直子の前に現れる。実は直子はトムソンに乗り込んでやられた後、直子の暴れる姿を目撃していたのだ。そして日本最初のOL小夜の元を訪れ猛特訓して戻ってきたのだ。って、どういう展開や。実は直子は小夜の孫だったのだが。

 

喧嘩しか取り柄がないと思っていた蘭は直子にタイマンを要求、延々と戦いののち、最後の最後に蘭は直子に負けてしまう。しかし倒れた蘭に駆け寄ったのが、OL憧れの男子社員だった。そして、喧嘩なんか必要ないと言って愛してると言葉をかける。それを見た直子は敗北を実感し映画は終わる。

 

って、なんやねんという物語である。呆れるほどに無茶苦茶だが、呆れるほどに楽しんでしまった。なんの中身もないし、欠点だらけの脚本ではあるけど、ひたすら楽しませてくれる。こんな映画もあっていいんじゃないか、と思えるような作品でした。永野芽郁が可愛い。