くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「るろうに剣心 最終章 The Beginnig」「映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット」

るろうに剣心 最終章 The Beginnig」

期待通りの出来栄え、このシリーズはアクション監督の谷垣健治の斬新な殺陣シーンに負うところが多かったが、今回は、人間ドラマを徹底的に突き詰め、派手な殺陣シーンを娯楽と割り切った脚本の構成が成功した感じです。佐藤健の演技も必要以上に抑えておらず、極めて自然な上に、有村架純の風景の一部のように配置されたキャラクターの演出も上手い。難を言えば、ここまで映像美にこだわるなら、もう一歩日本的な様式美を使って欲しかった。折角の横長の画面が使いきれていないのは少し残念。終盤の延々と語る辰巳の蘊蓄場面も全体の長さからすれば実に適切。完成度の高い仕上がりになったと思います。監督は大友啓史。

 

時は1864年幕末の京都、一人の左手のない武士が駆けている場面から映画は始まる。飛び込んだ屋敷は対馬藩邸。そこに縛を受けて武士たちに囲まれている一人の男がいる。彼はおもむろに顔を上げると、一瞬で側の男の耳を食いちぎり、口で引き抜いたその男の脇差を咥えて周囲の武士を次々と倒していく。このオープニングが実に上手い。この場面で一気に物語に引き込む。彼の名は緋村剣心、人斬り抜刀斎として京都を恐怖に陥れている人物だった。

 

場面が変わると、祝言の準備を終えて仲間と夜の街を帰る集団、そこに突然抜刀斎が現れ一瞬で倒してしまうが、中の一人が執拗に剣心に絡み、とうとう頬に一筋の太刀傷を与えるが、結局殺されてしまう。緋村剣心桂小五郎の下で、尊王攘夷の障害となる集団を倒していた。そんな緋村剣心は、ある夜、居酒屋で食事をしていると一人の場違いないでたちの女と出会う。その帰り、剣心は何者かに襲われるが返り討ちにする。その様子をさっきの女が見ていたがその場で気を失ってしまう。

 

剣心は彼女を自分らのアジトで匿うが、翌日から女はそこで働き始める。彼女の名は雪代巴と言った。彼女は剣心と寝起きを共にする。やがて新撰組が組織されたという噂が流れ、桂小五郎らにも身に危険が迫るようになる。池田屋事件新撰組と真っ向から斬り合った剣心らは、桂小五郎の命もあり、人里離れた小屋へ一時身を隠すことになる。剣心と巴は二人で夫婦の如く小屋で暮らし、やがて剣心にも人間らしい心が芽生え始める。ある時、巴の弟縁が訪ねてくる。実は冒頭で剣心が殺し、頬に傷を受けた侍こそ巴のかつての許嫁で、縁ともども、剣心を仇と狙っていたのである。

 

時がたち冬となる。ある朝、巴は覚悟を決めて早朝に小屋を出る。そこへ剣心の仲間がやってきて、内通者が巴であると告げる。一方の巴は、彼女を剣心に近づかせた隠密の頭領辰巳と会っていた。そして、一時は剣心への復讐のために仕え、機を窺っていたが、今や剣心を愛し始めたことを告げる。そんな巴を罵倒し、延々と世の中の流れの蘊蓄を語る辰巳。一方、剣心は、昨夜巴とついに体を合わせたところから一転しての変化に戸惑い、気力も失せたまま雪に中に出ていく。そこへ、かねてから潜伏していた辰巳の手下が襲いかかる。

 

さまざまな仕掛けで剣心を惑わせ、最後は身をもって剣心の力を徐々に封じていく。そして、耳も目もやられたところへ辰巳が現れる。必死で応戦する剣心だが、精神的な打撃を受けた中、みるみる形勢は不利になっていく。そしてあわや最後の一撃を受けるかと思われた時、剣心は体を張って最後の反撃に出ようとするが、さらにそこへあらわれたのが巴だった。彼女は身を辰巳に投げ出し、怯んだ辰巳を目の見えない剣心が二人とも一気に斬り殺す。ようやく見えてきた剣心の目の前に血に染まった巴の姿があった。抱き上げる巴の手には懐刀があった。剣心はその刀を自分の頬に当ててやる。一筋の傷かつき、十時傷が頬に残る。

 

剣心は巴の日記を手にする。そこには、復讐に駆られて辰巳の元に身を寄せたものの、いつのまにか剣心を愛し始めた、二人目の愛する人となったと記されて閉じられていた。剣心は、巴を小屋に横たえ、小屋に火をつけて京都へと向かう。

 

時は鳥羽・伏見の戦い桂小五郎らは新撰組らをついに倒し錦の御旗を立てる。剣心も次々と人を殺し回る。そして全てが終わったと知った剣心は土方の前に刀を突き刺して捨て、何処かへ消えてしまう。そして、彼はこのあと10年姿を隠すとテロップが出て映画は終わる。

 

シリーズの完成品としての仕上がり、という出来栄えのクオリティに作品で、アクションシーンの配置も上手いし、ドラマ部分の配分も見事に配置されている。流石に力に入った作品として出来上がったと思います。よかったです。

 

「映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット

前回同様駄作だった。浜辺美波池田エライザの相手役は並のレベルの役者ではダメなのに、並のレベル以下の演技下手くそアイドルをはべらした配役設定は今回も最低の仕上がりになった。その上、原作の世界観がしょぼいのか脚本が悪いのか、なんのワクワク感も楽しさもない展開も最低。まあ、浜辺美波を見に行っただけなので映画の不出来は目を瞑ります。監督は英勉

 

ギャンブルの強さが全てという百花王学園、前回の騒動が終わり落ち着きを取り戻したようだったが、生徒会にとっては蛇喰夢子の存在は危機感を募らせるものがあった。学園では上納金を支払えない家畜の人数が増加、学園内のムードは地に落ちていく。そんな中、2年前に学園を追い出された視鬼神真玄が裏工作をして仲間を巻き込んで戻ってくる。彼は共感覚という特殊能力があることになっているが、そんな描写は全くなく、しかも演技が下手なので、ただの喚き散らす馬鹿にしか見えない。

 

彼は生徒会を巧みに導いて蛇喰夢子とのギャンブル戦を実現させる。蛇喰夢子にとっては全く相手にならないレベルの男だったが、視鬼神の卑劣な作戦で、負けざるを得なくなる。こうして実権をにぎった視鬼神は生徒会長も家畜にして学園を牛耳ろうとするが、生徒会長桃喰は蛇喰夢子を招致して再びギャンブル合戦に臨む。そして、熱戦の末、ついに視鬼神を追い出してしまう。

 

という流れなのだが、クライマックスのカード戦も、視鬼神を演じる藤井流星がとにかく下手くそで、悪役の貫禄全くなく、完全に浜辺美波池田エライザに食われてしまい、しかもゲームの中身もそれほど丁々発止のものでもなくワクワクしてこない。もっと浜辺美波のキャラクターを引き出してうまく演じさせればもっと面白くなるはずなのに、体育大会嫌いのコミカルな場面も適当に流した演出力の乏しさには呆れるばかり。何度も言いますが、浜辺美波目当てがなかったらスクリーンに物を投げているかもしれません。