くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「ウエスト・サイド・ストーリー」「ウエディング・ハイ」

「ウエスト・サイド・ストーリー」

二回目の鑑賞です。ミュージカルナンバーは、流れるたびにまたまた涙ぐんでしまうし、大胆なカメラワークと旧作で描ききれなかった人間ドラマが丁寧に描写できていたのをあらためて発見。スピルバーグのウエストサイド物語になっていました。

 

「ウエディング・ハイ」

面白い脚本なのに、無理矢理二時間に引き伸ばそうとしたような前半部のだらだらが作品を台無しにしてしまった感じの映画でした。前半の小ネタギャグをテンポ良く手際よく処理して、クライマックスの盛り上がりからのたたみかけ、謎解きをリズミカルに締めくくればなかなかの仕上がりで感動できたのに本当にもったいない。しかも、中心であるだろう中越の存在感が終始埋もれていたのは演出の失敗か、いずれにしても、本当に残念。監督は大九明子

 

石川と新田のカップルが、結婚が決まり、その馴れ初めを挿入しながら、結婚式本番へと流れるくだりが描かれて映画は始まる。招待客を選ぶ中での小ネタの数々が伏線として並べられて、ラストの伏線も張られて、本編である披露宴の場面へ移るのだが、ここまでの流れが実にテンポが悪い。

 

披露宴が始まり、前半の小ネタの結果をスローモーションを交えて笑いに昇華していくくだりが間延びしてしまい、折角の小ネタが、大笑いに通じず、ここからの見せ場の中心となる中越の大奮闘からのリズムを狂わせたまま進む。なんとかクライマックスへ持って行った上で、実はこんな裏話が背後で展開していたというこの脚本の見せ場へと流れるが、すでにダラダラ感が全面に出ていて、終盤のコミカルな場面が際立たなかった。

 

それでも面白いのでなんとか見ているものの、最後の感動的なエピソードとなる新婦新田の元カレ八代が乗り込んできたものの、元カノの最後のスピーチに涙ぐんで、花嫁奪取の計画を取りやめ、そこから、取ってつけたように登場する祝儀泥棒を捕まえる下りから、前半から散りばめていた小ネタが再度投入されて、笑いの中でほのぼのした感動でエンディング。

 

もう一回撮り直して、思い切って90分から100分くらいで収めるように編集し直したら、ちょっとした映画になっていた気がします。登場人物の描き分けも、緩急強弱も今ひとつ出来ていないので、少し見直して欲しかった。でも、まあ面白かったですけどね。