くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「天草四郎時貞」

天草四郎時貞

派手なチャンバラシーンやスペクタクルシーンよりも、終盤に見られる会話劇をその特徴にした異色の時代劇で、その意味で人物関係がほとんど掴めないままラストを迎えるので、正直終盤は退口だった。島原の乱を描いているという知識があるのでストーリーを追うことはできるが、クローズアップを繰り返す描写は、ちょっと知性を全面に出しすぎた感じでした。監督は大島渚

 

圧政により、島原のとある百姓たちが集まる場所に武士らが踏み込んでくる所から映画は始まる。ワンシーンワンカットでフィックスで捉えるオープニングから、天草四郎時貞を中心に百姓たちが蜂起するに至るまでを、時に極端なクローズアップや、歴史を見つめる画家の存在、天草四郎時貞に対峙する浪人の登場などで変化を与えながら、島原城内の天草四郎時貞と旧知の友人とのやりとりなどを交えて、蜂起したものの、一気に劣勢となり、全員討死となりというテロップで映画は終わる。終盤は農民たちと天草四郎時貞、浪人らを交えてのディスカッションとなる。

 

大島渚が、安保闘争への風刺も込めたと言われる時代劇大作だが、独特のカメラアングルは見事ですが、娯楽性よりメッセージ性を優先させた演出はちょっとしんどかった。