「華麗なる大泥棒」
監督がアンリ・ヴェルヌイユなので、楽しみでしたが映画としては普通の出来栄えでした。オープニングのタイトルバックや前半のリアルなカーチェイスシーンはなかなか見応えのある映像でしたが、ストーリー全体の流れは非常に平坦で、サスペンスでもアクションでもなく、と言ってミステリーでもないどっちつかずの映画でした。
港に泥棒仲間が集まってくるところから映画は始まる。そして三人の男と一人の女性がタスコという男の大邸宅に忍び込み、主犯のアザドが駆使するハイテク装置で金庫を解錠していく下りがまず見せ場。たまたま通りかかり外に止めてあった車を不審に思ったザカリア刑事が、邸内を何度か調べるが、結局出て行く。その際、様子を見に出たアザドと一言二言かわす。
まんまとエメラルドを盗み出したアザドらは、逃げるために港に来たが予定していた船は修理で五日間足止めだという。さらに不審な車につけられていると察した四人はバラバラに逃げ、五日後の再会を約束する。アザドは追ってきた車とカーチェイスの末、まんまとまいて、ホテルへ行く。しかし、執拗に追ってくるザカリアとの追いつ追われつの逃亡劇が繰り返される。ザカリアの目的は逮捕ではなくエメラルドだった。あとは、アザドが出会う金髪の女性が実はザカリアの仲間だったり、泥棒仲間のエレーヌとのラブストーリーも適当に挿入されるのですが、どれが中心というものでもなく中途半端に展開。
アザドは脱出のための船に乗るために港に行くがザカリアが待ち伏せていて、アザドは隠していたエメラルドをザカリアに投げて、ザカリアを小麦で埋めてしまい、船に乗って映画は終わる。なんとも言えない適当なストーリーで、ジャン=ポール・ベルモンドのアクションもそれほどではなく、平凡な映画でした。
「パリ警視J」
映画のクオリティ以前に、単純に娯楽映画として面白かった。アクションシーンも程よい量だし、お決まりのカーチェイスもほどほど、主人公のドラマとしてキレの良いストーリー展開なので、飽きることなく最後まで見れました、楽しい一本でした。監督はジャック・ドレー。
強引な捜査で左遷されてしまった主人公ジョルダン警視が高速列車で次の赴任地へ向かう場面から映画が始まる。麻薬王で、上層部にコネもあり全く警察が手を出せないメカチを追い詰めるためにやってきたのだが、メカチもジョルダンがやってくることが懸念だった。
マルセイユで大規模な麻薬取引の情報を得たジョルダンは、警察が一旦逃してしまったホシをヘリコプターで追い詰め、大量のヘロインを海中に破棄してしまう。そんな捜査に上層部は難色を示し、さらに左遷するが、ジョルダンはめげずに、さらにメカチ逮捕に執念を燃やしていく。一方メカチはジョルダンの部下を殺してジョルダンに濡れ衣を着せようとするが、ジョルダンはメカチの罪を証明する唯一の男フレディに辿り着く。しかし、フレディもメカチの部下に殺され、その殺し屋を追い詰めたジョルダンはついにメカチに辿り着く。そして、ジョルダンを殺そうとした殺し屋の銃で、メカチを射殺する。メカチが何者かに殺されたことが警察無線でジョルダンに伝わり、映画は終わる。
普通のポリスアクションですが、それなりに楽しめる映画でした。