くらのすけの映画日記

「シネマラムール」の管理人くらのすけの映画鑑賞日記です。 なるべく、見た直後の印象を書き込んでいるのでネタバレがある場合があります。その点ご了解ください。

映画感想「オーメン ザ・ファースト」

オーメン ザ・ファースト」

丁寧に作り込まれた脚本とストーリー展開がサスペンスとして面白い作品に仕上がっていました。オーメン三部作を知っていれば十分楽しめるし、知らなくても、それなりに楽しめる映画だった。監督はアルカシャ・スティーブンソン。

 

一人の神父ブレナンがハリス神父を訪ねてくるところから映画は幕を開ける。教会の修復の現場にいるハリス神父に懺悔するが、ハリス神父は全て終わらせるためだと呟く。そして外に出る二人の頭上から破壊されたステンドグラスが降ってきてハリス神父の頭が裂かれる。

 

1971年ローマ、司祭ローレンスに呼ばれてアメリカから修道女になるためにマーガレットが空港に降り立つ。目的の修道院に着いたマーガレットは以前から幻覚か現実かわからない夢を見るようになっていた。拘束され、顔に黒い布を被せられて、何やら獣のような息遣いに迫られる夢だった。

 

修道院に着いてシルヴァ修道院長に案内されている途中、一室でうずくまるカルリータという少女と出会う。不気味な絵を描き、危険だからと個室で暮らしているカルリータにマーガレットは不審に思う。マーガレットはルスという修道女志望の女性と同室になり、彼女に、宣誓式の前に夜遊びしようと誘われて、パオロという青年と出会う。その際、羽目を外して意識をなくしたマーガレットは目覚めると自室だった。

 

修道院で生活を始めたある日、カルリータに接触していた不可思議な一人の修道女が炎に包まれて自殺してしまう。さらに、修道院内にいる妊婦たちの出産も垣間見て、その異様さにマーガレットは気を失ってしまう。

 

そんなある日、ブレナン神父が接触してきてカルリータとは関わらない方が良いと言う。そして、話をしたいからとある修道院の一室に招かれる。そこでマーガレットは、キリスト教に仕える人々が二つに分かれ、一方は正当にキリストを敬うがもう一方はひとびとの信仰心を取り戻すために反キリストを誕生させて人類を目覚めさせようとしていると告げる。

 

過去に反キリストの生誕のために強制的に受胎させてスキアーナというコードネームをつけ管理してきたが、全て死産か異常出産で、唯一成功したのがカルリータだった。ブレナン神父はカルリータの出生の資料を持ち出すようにマーガレットに言うが、マーガレットは拒否する。

 

カルリータが別室で拷問されているかに疑いを持ったマーガレットはカルリータを救うべく、同室のルスの宣誓式で院長らの留守を見計らってカルリータの資料を持ち出そうとする。しかし、すんでのところで見つかり拉致されてしまう。その争いの中、カルリータの喉の奥に666に数字を認める。

 

マーガレットは拉致されたが、修道院の若き神父ガブリエルがマーガレットを救い出し、資料とともにブレナン神父の部屋に向かう。そして、過去に反キリスト出産のために生まれた赤ん坊のリストを再確認していて、母となるべく悪魔の獣に妊娠させられた女性は喉ではなく頭に666の数字が浮き出ているのを発見、そしてその666の数字はマーガレットの頭にあった。マーガレットもまたスキアーナで、しかもカルリータの姉だった。しかもマーガレットはすでに妊娠していた。おそらくルスに誘われた夜に儀式が行われたのだろう。

 

反キリストの出産を阻止するべくマーガレット、ブレナン神父、ガブリエル神父は知人の医師に堕胎してもらうべく車で急ぐが、途中、修道院の妨害に遭い、ブレナン神父らは気を失ってしまう。時間は6月6日6時となり、残されたマーガレットのお腹は急に大きくなりそのまま絶叫して気を失う。そして修道院に連れ戻され、出産することになる。

 

生まれてきたのは男女の双子で、待望の男子誕生で院長は抱き上げる。マーガレットは赤ん坊を抱かせてもらい、手渡すまいとロレンス神父を刺し殺すが、飛び込んできたルスによって赤ん坊は院長に奪い取られ、さらに、院長らの指示で火を放たれてしまう。そこへカルリータが現れ、マーガレットと、残された女の子の赤ん坊を連れて脱出。

 

院長らは車の中で、赤ん坊を誰に託すか物色して、「オーメン」一作目のローマ大使ロバート=グレゴリー・ペックの写真を見て決める。時が経ち、マーガレット、娘、カルリータは三人で暮らしていた。そこへブレナン神父が現れ、いずれ修道院から追っ手が来ること、そして生まれた男の子はダミアンと名付けられたことを告げて映画は終わる。

 

誰が悪魔の子の母親なのかと言うサスペンスを主軸に、いかにしてダミアンがこの世に生まれたかを理由づけして丁寧に描いた作品で、真面目すぎると言えばそれまでだが、今回のラストの話に続く本編を見たくなる展開のよくできたホラー映画だった。、