2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧
「雨の中の欲情」 現実か夢かはたまた漫画の中の世界か、目眩くようなシーンの交錯に中盤以降はとうとうついていけなくなった。果たして現実の話はどれだったのかと混乱してしまい、原作がどうなのかわからないが少々作りすぎの感がないわけではない。ただ、…
「正体」 最初に気になった点ですが、原作もあるのでわざとなのかもしれませんが、主人公鏑木の背景の家族の描写が全くない。それが作劇にプラスになっているのなら構わないのですが、生身の人間感が希薄になってしまって、なぜここまで逃亡劇を繰り返すのか…
「ネットワーク」 オープニングからラストまで機関銃のようにセリフが応酬、そしてクローズアップの見事な演出に圧倒されてしまう作品だった。ロードショー以来だから四十年ぶりくらいの再見、名作ではあるが、個人的にはあまり好きな作品ではない。とは言っ…
「チネチッタで会いましょう」 ダンスや歌が挿入され、一見シリアスな話がみるみる映像として踊り始めると言う作りはとっても面白い。時代遅れの映画監督がさまざまな今時の周囲の人々に翻弄されながら、次第に時の流れに乗って、最後はみんなハッピーエンド…
「ふたりで終わらせる IT ENDS WITH US」 よくあるDV映画ではあるのですが、非常に練られた脚本と演出で、映画作品としてもなかなかの出来栄えになっているのは良かった。カメラワークも丁寧だし、DVとそうでない境目を見ごとなタッチで映像に表現したのは感…
「海の沈黙」 書き込まれた脚本、掘り下げられた演出、圧巻の演技陣、美しい映像、そして物語は若干詰め込みすぎた感もあるがそれなりにシンプルに、非常にクオリティの高いしかも良質な秀作。こういう映画を見て評価しないと日本映画は廃れる。それくらいの…
「ジュブナイル」 かつてのNHK少年ドラマシリーズのような物語ですが、めちゃくちゃ面白かった。特撮シーンのワクワク感、かつて子供の頃に味わっていた高揚感、そんなノスタルジーとエンタメが融合した秀作だった。監督は山﨑貴、デビュー作である。 ワーム…
「小さなムックの物語」 一般劇場公開されていないのかデータが見つからなかった東ドイツ映画。シネヌーボーの特集で見る。アグファカラーの落ち着いた色彩で見せるお伽話ファンタジーで、たわいない特撮を散りばめながらの物語は個性的で面白かった。監督は…
「他人は地獄だ」 韓国WEBコミック原作だけあってかなりグロテスクなシーンが連続するが、それを無視すれば、なかなかよくできた面白いサスペンスホラーだった。東洋思想を背景にした作劇もこれはこれで面白いし、若干、ラストは思った通りという予想が八割…
「太陽の少年」 初公開より十分長い完全版。名作のクオリティ十分な映画だった。青春ドラマなのだが、散りばめられる中国近代史の空気、淡い恋物語、友情と、若さゆえの確執、そんな全てがまるで映像を操るように虚と実を織り交ぜながら描いて行く様は見事。…
「アット・ザ・ベンチ」 動画配信されていた二話に三話プラスして公開されたオムニバス作品ですが、五つそれぞれ脚本家が違うゆえか、役者の演技力の差か、クオリティが一貫していないために、ちょっと最後に至って甘さが出てしまう仕上がりの映画だった。第…
「グラディエーターⅡ英雄を呼ぶ声」 大作の貫禄十分な見事な映画だった。スペクタクルも十分あるが、人間ドラマの面白さ、終盤の娯楽映画としてのたたみかける展開のうまさは絶品で、エンタメ大作にしてして何層にも仕組まれた物語構成は圧巻。とにかくお手…
「ベルナデット 最強のファーストレディ」 実在の人物と実話を交えているとはいえ完全なフィクションとして笑い飛ばすコメディを作った作品。シラク大統領が完全にバカに描いているのですが対する切れ者のベルナデットが、いつまで経ってもオドオドした演技…
「カーリングの神様」 適当に作った感満載のゆるゆるなローカル映画だった。登場人物とそれぞれの描写も、ストーリーの踏み込みも、絵作りも普通で何の変哲もない映画だった。監督は本木克英。 カーリングを日本に広めたと言われる御代田町、小学校以来の幼…
「ロボット・ドリームズ」 アカデミー賞長編アニメーション賞ノミネート作品。セリフを廃し、音楽とパフォーマンスだけで展開するほのぼのしたヒューマンドラマという一本。シンプルな絵で、淡々とファンタジックに進む工夫された物語は、終盤まではとっても…
「ルート29」 シュールでファンタジックな映像で描くちょっと不可思議な一人の女性の成長ストーリー。登場人物にリアル感はなく、監督の感性だけで描いていく絵作りがとにかく楽しい作品だった。監督は森井勇祐。 鳥取、修学旅行に来た学生たちの姿をカメラ…
「室井慎次 敗れざる者」 最初から後編にかけたような間延びした脚本と脇役の雑な演技、キレのない演出で、後編を見なさいと言わんばかりの観客を馬鹿にしたような映画だった。テレビシリーズを紹介するには構わないが、映画として、しかも前後編の大作とし…
「スカーフェイス」 初公開以来なので、ほぼ四十年ぶり。監督はブライアン・デ・パルマだが、彼の作品としては決して上位のものではないなと当時も思ったが、今見直しても、それほど出来がいいと思えない。冒頭に彼独特の長回しや回天するカメラワークなどは…
「十一人の賊軍」 退屈しないし面白かったのですが、リアリティを手や首が飛ぶ残酷シーンに頼ったために、周囲の人間ドラマが薄れてしまい、さらに脚本のストーリー構成のバランスが悪いので、緩急のない作品に仕上がった気がします。監督は白石和彌。 一人…
「ゴンドラ」 とってもロマンティックで綺麗な大人のファンタジーというかお伽話というスタイルの作品で、完全にセリフを排除して、映像だけでゴンドラの行き来を淡々と描く姿はまるで夢の世界に入ったようだった。ちょっと面白い一本でした。監督はファイト…
「ノーヴィス」 主人公のがむしゃらな自己主張と生き方を、ややサイコパス的に全編緊張感満載で描いて行くので、正直かなりしんどい。映画のクオリティは非常に高いのですが、細かいカットと寄りのカメラ、暗い画面で、この上映時間が限界という一本だった。…
「スマホを落としただけなのに最終章ファイナルハッキングゲーム」 今回が三作目の最終章らしいけど、結局、リアリティがないために全然緊張感が高まらないままに終わった普通のサスペンスでした。やはり悪者は最後までサイコでないと面白くないけど、妙に人…